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あさくま(7678)の初値予想/分析 2019年6月27日(木)上場

1. 基礎データ

 

愛知県を中心に、ステーキのあさくまで有名な当社。

財務体質は強固で、順調に店舗を拡大中。

創業は、1948年とかなり古い企業です。

 

1962年3月に「ドライバーズコーナー・キッチンあさくま」を愛知県日進町に開店以来、「ステーキのあさくま」の名称で名古屋市内から郊外へと店舗展開し、立ち寄り易いよう駐車場を完備した郊外型のステーキレストランとして、幹線道路沿いを中心に出店。

 

2019年4月30日現在、当社は直営店60店舗、FC加盟店7店舗の計67店舗、連結子会社の株式会社あさくまサクセッションは直営店20店舗を展開しており、当社グループ全体として計87店舗を運営しています。

 

 

 

 

会社名 株式会社あさくま
所在地 〒468-0058 名古屋市天白区植田西2丁目1410番
設立 1948 年12月
代表者名 代表取締役社長 横田 優
事業内容 レストラン経営による飲食事業、及びフランチャイズ事業
グループ会社 株式会社テンポスホールディングス
株式会社テンポスバスターズ
株式会社テンポスフィナンシャルトラスト
株式会社テンポスドットコム
株式会社テンポス情報館
キッチンテクノ株式会社
株式会社スタジオテンポス
株式会社プロフィット・ラボラトリー
株式会社テンポスフードプレイス

 

 

 

 

2. 成長企業判定

 

店舗の増加数は以下の通り。

近年はかなり緩やかになってきていますが、まだ大阪に未出店など拡大余地はありそうです。今後の拡大計画次第で再成長もありえそうです。

どういった戦略をとるかに注目しています。

 

  2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03
店舗数合計 45 67 84 82 85 87
あさくま直営 31 34 45 49 55 60
あさくまFC 8 8 10 10 10 7
あさくまサクセッション 6 25 29 23 20 20

 

 

 

成長判定としては、店舗数の伸びが鈍化していることから、判定は×。

ただし、外食業にしては比較的利益率高めとなっています。

 

  売上 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2017/03 9,127   912      
2018/03 9,440 3% 874 4% 8% ×
2019/03 9,447 0% 679 22% 22% ×
2020/3予 10,063 7% 861 27% 33% ×

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 

上場日は、同時上場、ややIPO過密日程ですが、それほど大型の上場もなく、気にせずにすみそうです。

 

 
仮条件決定日   2019/06/10(月)
抽選申込期間 2019/06/11(火) 2019/06/17(月)
公募価格決定   2019/06/18(火)
購入申込期間 2019/06/19(水) 2019/06/24(月)
上場日   2019/06/27(木)
想定価格(円)   1,150
公募価格決定(円)   1,250
想定価格からの上昇率   8.7%

 

売出も少なく、今後の成長意欲は強いと感じます。

希薄化は10%強。

 

公募株式数(単位:株) 592,100
公募(単位:株) 500,000
売出(単位:株) 92,100
売出比率 15.55%
オーバーアロットメント(単位:株) 85,000
発行済株数 5,210,420
オファリングレシオ 13.00%

 

4. 手取金の使途

 

以下は、おそらくの推計ですが、2020年3月期9店舗増加、2021年3月期8店舗増加と加速して出店する様子です。

一部閉店もある可能性もありますが、強気の店舗計画です。

  2014/03 2015/03 2016/03 2017/03 2018/03 2019/03 2020/03 2021/03
店舗数合計 45 67 84 82 85 87 96 104

 

凡そ6億円の手取金については、店舗の新規出店のためと分かりやすくなっています。

凡そ1店舗の出店には3000万円から4000万円程度のコストになるようです。

 


上記の手取概算額 512,000千円及び「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限89,930千円については、株式会社あさくまの直営店の新規出店にかかる設備投資資金に充当する予定であります。 

具体的には、2020年3月期に計画する新規出店8店舗に320,000千円、2021年3月期に予定する新規出店8店舗に281,930千円の充当を予定しております。

 

なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。(注)設備資金の内容については、「第二部 企業情報 第3 設備状況 3 設備新設、除去等の計画」の項を ご参照ください※1

 

5. 財務データ

バランスシートは強固で、特に問題はなさそうです。

ポイントとしては自己資本比率が高く、その理由として、利益率の高いビジネスを展開することにより、利益が着実に積みあがっている様子がバランスシートに垣間見えます。

f:id:IPOStudy:20190625215822p:plain※2

 

 

6. リスク分析

 

食材の高騰や人件費の高騰は今後のリスクとなります。

また消費増税により、来客数が減ることも想定されます。

 

食肉卸を通してメニューに使用する牛肉の必要量を確保しておりますが、為替相場の大幅な変動や国内外の需要が大幅に増大した場合は、牛肉の仕入価格が高騰する可能性があります。

 

その場合には、仕入コストが増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、その他の原材料につきましても、急激な仕入価格の高騰、数量の確保が困難に陥った場合※3

 

やや、4Qに業績が変調する点も懸念しておいた方が良いでしょう。

 

f:id:IPOStudy:20190625220315p:plain※4

 

 

7. 株主構成

 

 

テンポスホールディグスの子会社。

テンポスの時価総額が300億円で、当社は連結対象の子会社です。

売出はせずに引き続きグリップはしていくように見受けられます。

 

ベンチャーキャピタルはなく、ロックアップもきっちりあるため、大きな売出の主体はないでしょうか。

 

株主名 株数 売出 比率
(株)テンポスホールディングス 2,710,213   56.4
有限会社あさしお 542,136 92,100 11.3
近藤 裕貴 483,382   10.1
近藤 典子 429,082   8.9
西尾 すみ子 174,200   3.6
近藤 千鶴子 58,796   1.3
(株)りそな銀行 46,400   1.0
(株)三井住友銀行 44,616   0.9
麒麟麦酒(株) 42,000   0.9
加藤 利武 21,040   0.4
上位10名合計 4,551,865 92,100 94.7
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
(株)テンポスホールディングス   180  
有限会社あさしお   180  
近藤 裕貴   180  
近藤 典子   180  
西尾 すみ子   180  
近藤 千鶴子   180  
(株)りそな銀行      
(株)三井住友銀行      
麒麟麦酒(株)      
加藤 利武      

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

三菱UFJモルガンスタンレーの主幹事。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 533,200 90.1
引受証券 大和証券 11,800 2.0
引受証券 SBI証券 11,800 2.0
引受証券 東海東京証券 11,800 2.0
引受証券 フィリップ証券 8,800 1.5
引受証券 岡三証券 8,800 1.5
引受証券 安藤証券 8,800 1.5

 

 

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9. 提出会社の状況

 

正社員より臨時雇用が多く、昨今の人件費高騰の影響は受けやすい環境。

今後の店舗の展開にも販管費の増は要注意です。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 92 625 44.1 4.5 4,602,000


10. 初値予想

 

今期の予想EPS105円に対して、公開価格はPER10倍程度と比較的割安な設定。

外食産業は、人件費の高騰や出店コストの高騰から拡大が困難な企業も多く、株価は軟調な企業が多いです。

 

上場当初から、株主優待(4000円分)を設定するなど株主への目線も感じられることからやや期待も込めてPER20倍程度と設定。1800円~2100円と予想します。

 

1 市場 JASDAQ
2 需給 2社
3 VC、SO VCなし,SO約10万株
4 吸収金額 吸収金額8億円と小型、公募価格における時価総額約65億円
5 注目度 個人投資家になじみのあるあさくまの上場。設定価格も比較的安く人気化しそう
   
a 流動性 ★★★★☆ (4)
b タイミング ★★★☆☆ (3)
c 事業内容 ★★★☆☆ (3)
d 注目度 ★★★★☆ (4)
e 財務安全度 ★★★☆☆ (3)
f 初値予想 EPS105円にたいして、PER 20前後 1,800~2,100円程度か.

 

 

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初値予想
~1250円以下
1250円~1500円
1500円~1800円
1800円~2100円
2100円以上
 
 
 
 
 
 
 
 

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※1~※4 目論見書、有価証券報告書から引用


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