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Link-U(4446)の初値予想/分析 2019年7月18日(木)上場

1. 基礎データ

 

オリジナルサーバによるデータ配信及びそのデータを分析するAIソリューションを提供している企業。現在の主な事業は、電子書籍にかんする漫画アプリの運営、運用。

 

小学館のマンガワンのサーバー調達と保守運用及び開発業務とサービス運営まで手掛けており、これが売上の主力。

加えて、スクウェアエニックスのマンガUPのサーバー調達と保守運用を行っており、大手2社とビジネスを行っていることから、ここ最近売上利益ともに急増しています。

 

特筆すべきは、利益率が高い点。営業利益率が20%を超えておりここは評価されそうな点です。

 

 

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2013年創業の若い企業、6年で上場。CEO、CTO共に30代と若く成長に対する意欲は感じられる。

 

 

会社名 株式会社Link-U (英文社名 : Link-U Inc.)
所在地 〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台四丁目4番1号 4F
設立 2013年 8月
代表者名 代表取締役 CEO 松原 裕樹
資本金 43,450千円 (2019年5月現在)
役員 代表取締役 CEO 松原 裕樹
取締役 CTO 山田 剛史
取締役 志村 優太
取締役 西尾 直紀
監査役 池田 裕
監査役 塚田 英樹
監査役 髙木 伸學
従業員数 41名 (2019年5月現在)
事業内容 サーバープラットフォーム事業

2. 成長企業判定

波はあるものの、高成長しており、成長企業判定としては評価しても良いでしょう。

しっかり利益もついているのは評価できます。

 

  営業収益 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2016/07 390   187      
2017/07 628 61% 279 49% 110%
2018/07 610 3% 211 24% 27% ×
2019/7予 1,068 75% 378 79% 154%

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 

単独上場。注目はかなり集まりそう。

発行済株式に対する公募株式数は控えめ。

大株主の売出も少な目でこの点も評価できます。

 

 
仮条件決定日   2019/07/01(月)
抽選申込期間 2019/07/02(火) 2019/07/08(月)
公募価格決定   2019/07/09(火)
購入申込期間 2019/07/10(水) 2019/07/16(火)
上場日   2019/07/18(木)
想定価格(円)   2,580
公募価格決定(円)   2,820
想定価格からの上昇率   9.3%

 

公募株式数(単位:株) 513,000
公募(単位:株) 251,000
売出(単位:株) 262,000
売出比率 51.07%
オーバーアロットメント(単位:株) 76,900
発行済株数 4,455,000
オファリングレシオ 13.24%

 

4. 手取金の使途

 凡そ7.5億円の手取金に対して、サーバ費用と人件費が主な費用となっており、この点も使い道としては妥当。また公募株式数が妥当な範囲で調達しすぎていない点も良い印象です。

① 顧客企業数等の増加に伴う通信トラヒック増加や、機能拡充に対応するため、内部サーバ費用等として280,000千円(2020年7月期:80,000千円、2021年7月期:100,000千円、2022年7月期:100,000千円)

 

 

② 今後の会社規模の拡大及び事業ポートフォリオの多様化のため優秀な新規エンジニア等の確保を目的とした人件費及び人材採用教育費として378,000千円(2020年7月期:105,000千円、2021年7月期:182,000千円、2022年7月期:91,000千円)

 

③ 人員の増加に伴い必要となるオフィス増床のための追加敷金及び費用等として96,000千円(2020年7月期:42,000千円、2021年7月期:27,000千円、2022年7月期:27,000千円)

 

④ 金融機関からの借入金の返済として9,000千円(2020年7月期:9,000千円)

 

なお、残額は人件費として2023年7月期までに充当する予定です。また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針※2

 

5. 財務データ

 

財務的にも特に問題はなく、順調に売上利益が伸びています。

前期においては、やや売上が鈍化しておりますが、漫画村などの海賊版サイトによる影響が大きく、現在下火となっていることからそれほど気にする必要はないでしょう。

 

ただし、漫画村と類似するサイトなどにより、顧客が減少した際は、影響を受けやすいという点は留意しておいた方が良いです。

 

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6. リスク分析

 小学館における売上が前期80%を超えており、また漫画アプリに売上が集中していることはリスクとしてあげられます。

 

また電子書籍事業は競合他社も多く、今後も多くのプレイヤーと競争が続く可能性があります。

7. 株主構成

 

経営陣で80%程度保有しており、売出もそれほど多くない点は良いです。

また、ベンチャーキャピタルではない、上場企業が株主となっており、この点も評価できます。

 

株主名 株数 売出 比率
松原 裕樹 1,800,000 131,000 40.7
山田 剛史 1,800,000 131,000 40.7
(株)メディアシーク 400,000   9.1
前田 有幾 120,000   2.7
(株)セレス 42,000   1.0
株式会社ACCESS 42,000   1.0
井上 裕貴 26,000   0.6
広畑 壮一郎 26,000   0.6
村上 航規 26,000   0.6
友野 拓也 26,000   0.6
上位10名合計 4,308,000 262,000 97.5
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
松原 裕樹   180  
山田 剛史   180  
(株)メディアシーク   90 1.5
前田 有幾   180  
(株)セレス      
株式会社ACCESS      
井上 裕貴   90  
広畑 壮一郎   90  
村上 航規   90  
友野 拓也   90  

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

SMBC日興主幹事。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SMBC日興証券 456,900 89.1
引受証券 SBI証券 25,600 5.0
引受証券 野村證券 20,500 4.0
引受証券 極東証券 2,500 0.5
引受証券 いちよし証券 2,500 0.5
引受証券 エース証券 2,500 0.5
引受証券 岡三証券 2,500 0.5

9. 提出会社の状況

 

若い従業員が多いですが、これだけ給与を出して、この利益率も確保しておりこの点も評価できそうです。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 41 5 29.1 1.8 6,232,000

10. 初値予想

 

1 市場 マザーズ
2 需給 1社
3 VC、SO VCなし,SO約21.6万株
4 吸収金額 吸収金額16億円、公募価格における時価総額約125億円
5 注目度 サーバに関するAIソリューション企業。小学館、スクエニと提携
   
a 流動性 ★★★★☆ (4)
b タイミング ★★★★★ (5)
c 事業内容 ★★★★★ (5)
d 注目度 ★★★★★ (5)
e 財務安全度 ★★★☆☆ (3)
f 初値予想 EPS64円にたいして、需要も強く、PER 80over、5000円程度か

 

 

 

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※1~※3 目論見書、有価証券報告書から引用
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