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ヤシマキザイ(7677)の初値予想/分析 2019年6月26日(水)上場

1. 基礎データ

1948(昭和23)年10月に、鉄道、船舶、鉱山、土木、農業用機械器具の製作・販売及び修理を目的として、「八洲器材株式会社」として創業したオールドの企業。

 

売上高もかなり大きいため、JR各社、私鉄各社など大手とはほぼ付き合いがある状況。また鉄道事業に力を入れている日立グループとも取引がある模様。

 

 

①鉄道事業

鉄道車両製品を主な市場として鉄道事業者及び鉄道車両メーカーや鉄道車両用電気品メーカーなどを販売先とし、鉄道車両用電気品、同車体用品、同車載品、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っています

 

②一般事業

鉄道事業における販売先以外の、産業機器メーカー、自動車関連メーカー、業務用機器通販事業者などを販売先としており、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っています。

 

 

 

 

会社名 株式会社ヤシマキザイ
Yashima & Co.,Ltd.
所在地 東京都中央区日本橋兜町6番5号
設立 1948年 10月
代表者名 代表取締役社長 髙田一昭
資本金等 9,950万円
社員数 278名(2019年3月31日現在)
海外拠点 インド支店
ミャンマー支店
ハノイ駐在員事務所
ジャカルタ駐在員事務所
マニラ駐在員事務所
ロンドン事務所

【亜西瑪(上海)貿易有限公司(現地法人)】
浦東
青島
深圳
事業内容 代表取締役社長 髙田一昭

 

f:id:IPOStudy:20190622212921p:plain※1

 

2. 成長企業判定

 

売上もやや伸びているものの、利益はかなりぶれる。また商社的な企業でもあり、利益率はかなり低く、2%前後。安定した取引があることが推測されるが、利益については様々な要因で変動することが懸念点。

 

 

  売上 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2017/03 32,517   1,038      
2018/03 33,499 3% 533 -49% -46% ×
2019/03 37,014 10% 756 42% 52%
2020/3予 37,342 1% 600 21% 22% ×
           

 

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 

同じ週に、5社上場するが、単独上場となった点は幸い。

 

 
仮条件決定日   2019/06/06(木)
抽選申込期間 2019/06/10(月) 2019/06/14(金)
公募価格決定   2019/06/17(月)
購入申込期間 2019/06/18(火) 2019/06/21(金)
上場日   2019/06/26(水)
想定価格(円)   1,280
公募価格決定(円)   1,280
想定価格からの上昇率   0.0%

 

公募株数は少なく、売出が多い、東証二部にありがちな案件。希薄化率は少ないためEPSの変動は少ない。

 

公募株式数(単位:株) 801,000
公募(単位:株) 250,000
売出(単位:株) 551,000
売出比率 68.79%
オーバーアロットメント(単位:株) 120,000
発行済株数 2,880,000
オファリングレシオ 31.98%

 

4. 手取金の使途

約2.8億円の手取資金、設備資金として1億円、運転資金として1.8億円として使用予定。

会計システム及び、人件費などが主な目的。

手取概算額289百万円については、設備資金として100百万円、運転資金として180百万円を充当する予定であり、具体的には、以下のとおりであります。

 

設備資金の内訳としては、業務効率化を目的としたウェブ環境での受発注システムの構築、基幹システムの拡充、決算業務の効率化のための会計システムの構築のための資金として、100百万円(令和2年3月期:40百万円、令和3年3月期:60百万円)を充当する予定であります。

 

運転資金としては、ミャンマーにおける事業展開のためのヤンゴン拠点での人件費等として、25百万円(令和2年3月期:8百万円、令和3年3月期:8百万円、令和4年3月期:9百万円)、欧州での事業展開のためのイタリア拠点での人件費等として、75百万円(令和2年3月期:25百万円、令和3年3月期:30百万円、令和4年3月期:20百万円)、ベトナムにおける事業展開のためのホーチミン拠点での人件費等として、80百万円(令和2年3月期:20百万円、令和3年3月期:35百万円、令和4年3月期:25百万円)を充当する予定※2

 

5. 財務データ

売上高は横ばい推移。利益も安定的にあり、バランスシート上の借金はほぼなく、安定的な経営がなされていることがわかる。

 

配当性向が高いなどの魅力があれば、長期的な投資に向くかもしれません。

 

 

f:id:IPOStudy:20190622213729p:plain※3

6. リスク分析

 仕入れの38%を日立グループに依存している点。仕入れられなくなった場合に大きなリスクとなりえます。

特定仕入先への依存によるリスクについて当社の主要な仕入先は株式会社日立製作所であり、平成30年3月期の連結仕入高に対する割合は38.0%となっております。同社との間では情報機器、受変電設備機器、鉄道車両用部品等を販売するための期間の定めのない特約店契約等を締結

※4

また、中国をはじめとした海外で事業をやっており、鉄道関係は、ビジネス規模も大きいため大きなビジネス上のリスクとなりえます。また為替リスクもあります。

 

 

7. 株主構成

 

神鋼造機はすべて売出、ベンチャーキャピタルはなく、安定的な株主が多い様子。

ロックアップもあり、初値形成後大きくうってきそうな大株主は見当たらない。

 

株主名 株数 売出 比率
佐藤 泰子 468,400 50,000 18.2
神鋼造機(株) 428,000 428,000 16.6
関 年子 280,400 50,000 10.9
東京中小企業投資育成(株) 200,000   7.8
ヤシマキザイ従業員持株会 191,200   7.4
関 正一郎 191,152   7.4
佐藤 厚 190,761   7.4
(株)みなと銀行 123,000   4.8
コクサイエアロマリン(株) 120,000   4.7
日本生命保険相互会社 100,000   3.9
上位10名合計 2,292,913 528,000 88.8
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
佐藤 泰子   90  
神鋼造機(株)      
関 年子   90  
東京中小企業投資育成(株)   90  
ヤシマキザイ従業員持株会   180  
関 正一郎   90  
佐藤 厚   90  
(株)みなと銀行   90  
コクサイエアロマリン(株)   90  
日本生命保険相互会社   90  

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

野村主幹事案件。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 野村證券 721,000 90.0
引受証券 SMBC日興証券 48,000 6.0
引受証券 みずほ証券 12,000 1.5
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 12,000 1.5
引受証券 エース証券 4,000 0.5
引受証券 SBI証券 4,000 0.5


9. 提出会社の状況

本体の給与ではあるが、比較的高い給与となっています。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 238 3 41.57 14.09 5,902,000


10. 初値予想

 

公募割れは避けられそうな案件。

吸収金額は11億円程度。

時価総額としても35億円程度と大きくなく、初値予想としては、1400円~1500円程度と10%前後の価格上昇を考えています。

 

東証二部で地味ではありますが、最近の地合もあまりよくなく、資金が集中して、やや高い初値が付く可能性もあります。成長企業ではないのですが、財務は良く、今後の配当性向など株主還元に注目しています。

 

 

1 市場 東証二部
2 需給 1社
3 VC、SO VCなし
4 吸収金額 11億と小型、公募価格における時価総額約35億円
5 注目度 東証二部、地味銘柄で、あまり期待できない案件
   
a 流動性 ★★★☆☆ (3)
b タイミング ★★★☆☆ (3)
c 事業内容 ★★☆☆☆ (2)
d 注目度 ★★☆☆☆ (2)
e 財務安全度 ★★★☆☆ (3)
f 初値予想 EPS144円にたいして、1,400円程度か.

 

 

↓初値予想良かったらご参加ください↓

 

初値予想
1280円以下
1280円~1380円
1380円~1480円
1480円~1580円
1580円以上
 

 

 

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※1~※4 目論見書、有価証券報告書から引用
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