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フィードフォース(7068)の初値予想/分析 2019年7月5日(金)上場

1. 基礎データ

プロフェッショナルサービス事業とSaas事業の2つが柱。

 

①プロフェッショナルサービス事業

主に、アドテクノロジーに関する広告事業。競合も多い印象。

 

主な商品である「Feedmatic」は、当社が各種アドテクノロジーサービスを開発してきた技術的な強みを活かすことで、機械学習による効果最大化を前提としたコンサルティング型広告運用サービスです。

また、データフィード広告を中心とした広告運用代理業務及び企業内でのインハウス広告運用支援を行っております。

 

②SaaS事業

エンタープライズからSMB(中小規模事業者)まで幅広い事業者に対し、セルフサービスで高度なマーケティングが実施できるシステムとして、データフィードマーケティングの管理ツール、自動広告配信ツールやソーシャルログインシステムなどをSaaSにより提供。

 

ECboosterが力を入れている商品で、運営するECサイトの商品情報を自動的に取得及び最適化し、検索結果として商品画像が表示されることが特徴の「Google ショッピング広告」に自動配信するサービス。

 

 

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セグメントの開示がありますが、SaaS事業の伸びが前年度74%増、今年度86.3%増(今期は予想)と好調であり、こちらが当社の魅力です。アドテクであるプロフェッショナルサービス事業はそれほど伸びていないので、SaaS事業の業績に今後注目が集まります。

 

2019年5月期は、それぞれのサービスにおいて新規顧客との取引件数が大幅に増加したことや顧客当たり月額料金(月額単価)の増加により、セグメント売上高300百万円(前期比86.3%増)を見込んでおります。予想売上高の内訳は、以下のとおりです。

 

「dfplus.io」は64百万円(前期比173.2%増)であり、第3四半期累計期間42百万円及び3月6百万円の実績を踏まえ、4月7百万円及び5月7百万円を見込んでおります。

 

「EC Booster」は26百万円(前期は0百万円)であり、第3四半期累計期間15百万円及び3月3百万円の実績を踏まえ、4月3百万円及び5月4百万円を見込んでおります。※2

 

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会社名 株式会社フィードフォース(Feedforce Inc.)
所在地 〒113-0034 東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル5F
設立 2004 年 1月
代表者名 代表取締役社長 塚田 耕司
資本金 10000万円
役員 代表取締役社長 塚田 耕司
取締役 喜多 宏介
取締役 西山 真吾
社外取締役 佐藤 爲昭
社外取締役 浦 勝則
社外取締役 岡田 吉弘
執行役員 宮城 満英
執行役員 大西 健太
従業員数 79名(2019年5月末時点)
事業内容 データフィード関連事業
デジタル広告関連事業
ソーシャルメディアマーケティング関連事業
その他事業
取引先 株式会社マイナビ
トランスコスモス株式会社
サントリーホールディングス株式会社
株式会社資生堂
株式会社廣済堂
株式会社アイデム
パーソルキャリア株式会社
株式会社LIFULL
株式会社オープンハウス
株式会社プロトコーポレーション
スターツ出版株式会社
株式会社ベイクルーズ
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン
株式会社フェリシモ
株式会社KNT-CTグローバルトラベル
株式会社阪急交通社
グーグル合同会社
Facebook Japan株式会社
LINE株式会社
CRITEO株式会社

 

 

2. 成長企業判定

 

今期の予想はかなり強気。

これまで赤字の年があったものの、ここにきてSaaSが好調なことから以下のような業績予想。直近の伸びはかなり良い。

 

  営業収益 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2017/05 486   -31      
2018/05 562 16% -28 10% 25% ×
2019/05 696 24% 33 218% 242%
2020/5予 989 42% 232 603% 645%

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 単独上場は、環境的には良い。初値も高寄りしそう。

 

 
仮条件決定日   2019/06/18(火)
抽選申込期間 2019/06/20(木) 2019/06/26(水)
公募価格決定   2019/06/27(木)
購入申込期間 2019/06/28(金) 2019/07/03(水)
上場日   2019/07/05(金)
想定価格(円)   1,030
公募価格決定(円)   1,150
想定価格からの上昇率   11.7%

 

 

 

公募がかなり多く、社長はほぼ売出せずも好感が持てます。

 

公募株式数(単位:株) 680,100
公募(単位:株) 650,000
売出(単位:株) 30,100
売出比率 4.43%
オーバーアロットメント(単位:株) 101,900
発行済株数 5,593,400
オファリングレシオ 13.98%

4. 手取金の使途

 

凡そ7億円の手取金の使途は、多岐にわたっていますが、人件費が主となるようです。

 

①新規サービスの開発を含む事業拡大に伴う人材確保に係る人件費(各期の増加見込額)として230,601千円(2020年5月期42,687千円、2021年5月期187,914千円)、

 

新規人材の採用費として33,000千円(2020年5月期16,000千円、2021年5月期17,000千円)

 

② データ処理量拡大に伴うクラウド型ストレージ及びサーバ等の費用として20,642千円(2020年5月期4,698千円、2021年5月期15,944千円)、PC等の情報機器関連購入費用として6,900千円(2020年5月期3,300千円、2021年5月期3,600千円)

 

③ 事業拡大及び人員増加に伴う本社増床に係る敷金及び内装等の設備資金として110,000千円(2021年5月期)、当該増床に係る賃料等として36,000千円(2021年5月期)

 

④ 金融機関からの借入金の返済資金として109,492千円

※4

 

 

5. 財務データ

 現状問題があるわけではないですが、過去の赤字のため利益剰余金がマイナスになっているところは気になります。借入金も今回の増資で返済されるようで、一旦はクリアされ他に大きく問題となりそうな点は今のところありません。

 

 

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6. リスク分析

インターネット広告に関するアドテクは、Google社などの影響を受けやすいため根本的なリスクはそこにあると考えています。

 

また、SaaS事業も今は好調ですが、今後の成長力が低下する可能性もリスクとして挙げられます。

 

7. 株主構成

ベンチャーキャピタルはなく、売出はかなり少な目。

成長に対する意欲を感じます。

ロックアップも強めです。

 

株主名 株数 売出 比率
合同会社理力 2,000,000   37.7
塚田 耕司 1,923,600   36.2
トランス・コスモス(株) 527,400   9.9
(株)マイナビ 217,600   4.1
寺嶋 徹 120,000   2.3
喜多 宏介 83,800 30,000 1.6
秋山 勝 80,000   1.5
宮城 満英 61,600   1.2
西山 真吾 41,000   0.8
大西 健太 40,000   0.8
上位10名合計 5,095,000 30,000 96.0
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
合同会社理力   180  
塚田 耕司   180  
トランス・コスモス(株)   90 1.5
(株)マイナビ   90 1.5
寺嶋 徹   180  
喜多 宏介   180  
秋山 勝   180  
宮城 満英   180  
西山 真吾   180  
大西 健太      

 

 

社長は、銀行出身ですね。

 

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※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

大和主幹事案件。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 大和証券 625,700 92.0
引受証券 SBI証券 6,800 1.0
引受証券 野村證券 6,800 1.0
引受証券 エース証券 6,800 1.0
引受証券 丸三証券 6,800 1.0
引受証券 マネックス証券 6,800 1.0
引受証券 東海東京証券 6,800 1.0
引受証券 エイチ・エス証券 6,800 1.0
引受証券 みずほ証券 6,800 1.0

 

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9. 提出会社の状況

 

 

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 69 7 31.4 3.4 5,682,000


10. 初値予想

 

PERではなく需要がかなり強く単独上場かつSaaSの企業ということで、かなり高い予想。即金規制で、4000円以上になる可能性ありとみています。

ベンチャーキャピタルもなく売出が少ないも好感される可能性ありです。

 

1 市場 マザーズ
2 需給 1社
3 VC、SO VCなし,SO約0.56万株
4 吸収金額 吸収金額9億円、公募価格における時価総額約64億円
5 注目度 アドテクとSaaSの企業。人気はかなり高い
   
a 流動性 ★★★★☆ (4)
b タイミング ★★★★★ (5)
c 事業内容 ★★★★☆ (4)
d 注目度 ★★★★★ (5)
e 財務安全度 ★★★☆☆ (3)
f 初値予想 EPS32円にたいして、需要も強く、PER 100overで、4000円程度か

 

 

↓初値予想良かったらご参加ください↓

 

 

初値予想
~2500円以下
2500円~3500円
3500円~4500円
4500円以上
 
 

 

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※1~※6 目論見書、有価証券報告書から引用
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