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ブランディングテクノロジー(7067)の初値予想/分析 2019年6月21日(金)上場

1. 基礎データ

 

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中小企業向けにブランド構築や課題解決を、インターネットを活用して提供する企業。

企業名はカッコよいが、営業利益率は5%程度と高くないため、収益力の高いコンサルティングができるかが課題となりそう。

 

恐らく需給から高騰しますが、今後しっかりとした成長ができるかは、成長可能性の資料などを見て判断したいと思います。

 

「ブランド事業」...‌‌メディア制作および運用、コンテンツ制作およびマーケティング支援、各種コンサルティングを行い、内製あるいは外注することにより成果物を顧客に対して提供。

 

「デジタルマーケティング事業」...‌中堅・中小企業に対してインターネット上の総合マーケティング支援を展開しております。戦略企画から、広告運用支援、コンサルティングまでワンストップで提供。

 

「オフショア関連事業」...‌‌株式会社アザナおよびVieTry CO.,LTD.において、Webサイトの制作および運用のオフショア・ニアショア開発、並びに、現地企業に対してWebサイトの制作および運用、インターネット広告の代理販売等を行い、内製あるいは外注することにより成果物またはサービスを顧客に対して提供。

 

 

 

会社名 ブランディングテクノロジー株式会社 (英語社名:Branding Technology Inc.)
所在地
東京本社
〒150-0036 東京都渋谷区南平台町15-13帝都渋谷ビル4F・5F
設立 2001年 8月
代表者名 代表取締役社長 木村 裕紀
資本金等 9,950万円
社員数 278名(2019年3月31日現在)
役員 代表取締役社長 木村 裕紀
取締役 小川 悟
取締役 野口 章
社外取締役 進 護
監査役 野村 武史
非常勤監査役 中澤 隆
非常勤監査役 山崎 一夫
事業内容 ブランド事業
デジタルマーケティング事業
オフショア関連事業

 

2. 成長企業判定

成長企業判定、売上、利益ともに緩やかに伸びており、急成長企業ではないです。

また、利益率が低く、コンサルティングとして今後高い利益率が上げられるか疑問。

 

  売上 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2017/03 4,203   40      
2018/03 4,667 11% 113 183% 194%
2019/03 4,992 7% 152 9% 16% ×
2020/3予 5,300 6% 175 15% 21% ×

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 

単独上場、週末の案件であり、初値つかない場合は、翌週持ち越し案件になるか。

 

 
仮条件決定日   2019/05/31(金)
抽選申込期間 2019/06/04(火) 2019/06/10(月)
公募価格決定   2019/06/11(火)
購入申込期間 2019/06/13(木) 2019/06/18(火)
上場日   2019/06/21(金)
想定価格(円)   1,540
公募価格決定(円)   1,740
想定価格からの上昇率   13.0%

 

公募株式数は極端に少なく、需給で上昇しそうな企業。OAもなく、かなり初値は高騰しそうな案件。

 

公募株式数(単位:株) 156,200
公募(単位:株) 126,200
売出(単位:株) 30,000
売出比率 19.21%
オーバーアロットメント(単位:株) 0
発行済株数 1,609,400
オファリングレシオ 9.71%

 

4. 手取金の使途

 

凡そ2億円の手取金。

システムや従業員採用、また事務所費用が主な使用使途となっています。

 

① 基幹システム導入による業務効率化のための投資費用として、50,000千円(令和2年3月期に25,000千円、令和3年3月期に25,000千円)を充当する予定であります。

 

② 業容の拡大に対応するとともに、従業員の働き方の改善を図るために、福岡営業所の移転費用として、令和2年3月期に25,000千円を充当する予定であります。

 

移転費用の内訳としては、内装工事費に10,000千円、敷金及び保証金に12,000千円、工具器具備品に3,000千円で見込んでおります。

 

③ 今後の事業拡大に伴う製作部門や営業部門の増員を、令和2年3月期に11名、令和3年3月期に15名を予定しており、そのための人材採用費として66,000千円(令和2年3月期に30,000千円、令和3年3月期に36,000千円)に充当する予定であります。

 

人材採用費につきましては、採用費(紹介手数料等)として、令和2年3月期に15,000千円、令和3年3月期に18,000千円を見込んでおります。また、教育研修費として令和2年3月期に15,000千円、令和3年3月期に18,000千円を見込んでおります。

 

④ 動画広告等の広告配信を積極的に活用し、認知度を高め、集客を図る目的で、広告宣伝費として、31,800千円(令和2年3月期に12,000千円、令和3年3月期に19,800千円)を充当する予定であります。※1

 

 

 

5. 財務データ

 

借金はほとんどなく、現金の方が多い状態。財務面での不安は特にないです。

売上は緩やかに伸びており、利益率が今後上昇するかがカギとなりそう。

 

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6. リスク分析

 中小企業が多いため、不況や消費増税における景気後退の影響は受けうると記載があります。

 

また、Googleなどの検索エンジンの変更に伴う検索順位変更によるGoogleリスクはありますね。

 

 

7. 株主構成

 ベンチャーキャピタルが散見されますが、発行済株式数の25%程度が持分です。

ロックアップはありますが、初値が高そうなことから、売りが出てくる可能性も記憶しておいたほうが良いでしょう。

 

株主名 株数 売出 比率
(株)アズーロ 583,000   38.4
木村 裕紀 360,300 5,000 23.8
ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合 250,600 25,000 16.5
100キャピタル1号投資事業有限責任組合 64,200   4.2
(株)ベクトル 64,200   4.2
Net Capital Partners Limited 40,200   2.7
ブランディングテクノロジー 従業員持株会 30,800   2.0
X Capital有限責任事業組合 30,800   2.0
(株)エボラブルアジア 30,800   2.0
小川 悟 14,400   1.0
上位10名合計 1,469,300 30,000 96.9
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
(株)アズーロ   180  
木村 裕紀   180  
ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合  〇 90 1.5
100キャピタル1号投資事業有限責任組合  〇    
(株)ベクトル      
Net Capital Partners Limited  〇    
ブランディングテクノロジー 従業員持株会   180  
X Capital有限責任事業組合  〇 90 1.5
(株)エボラブルアジア   90 1.5
小川 悟   180  

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

SBI主幹事。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SBI証券 132,500 84.8
引受証券 大和証券 7,800 5.0
引受証券 楽天証券 2,300 1.5
引受証券 岩井コスモ証券 1,600 1.0
引受証券 藍澤證券 1,600 1.0
引受証券 極東証券 1,600 1.0
引受証券 東洋証券 1,600 1.0
引受証券 むさし証券 1,600 1.0
引受証券 エース証券 1,600 1.0
引受証券 丸三証券 1,600 1.0
引受証券 香川証券 1,600 1.0
引受証券 おきぎん証券 800 0.5

 

 

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9. 提出会社の状況

 

給与は安すぎずですが、今後拡大する際の人材採用についてはやや懸念がのこります。

450万円程度の給与で人を集めるのはかなり困難で、今後の拡大にはリスクとして挙げられます。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 182 38 31.6 5.1 4,536,000


10. 初値予想

 

↓初値予想良かったらご参加ください↓

初値予想
1740円以下
1740円~3000円
3000円~4000円
4000円~5000円
5000円以上
 
 
 
 
 
 

初値は相当高くなりそう。

PERでは測りにくく、需給により、4500~5000円ぐらいのレンジの初値予想で、即金規制がかかるという想定です。ベンチャーキャピタルの売りもあるのでセカンダリーは相当乱戦になることが予想されます。

 

1 市場 マザーズ
2 需給 1社
3 VC、SO VCあり
4 吸収金額 3億と小型、公募価格における時価総額約30億円
5 注目度 単独上場、枚数少な目、人気化しそうな業種である
   
a 流動性 ★★★★★ (5)
b タイミング ★★★★☆ (4)
c 事業内容 ★★☆☆☆ (2)
d 注目度 ★★★★☆ (4)
e 財務安全度 ★★★★☆ (4)
f 初値予想 EPS73円にたいして、希少性が高いという需給から 5,000円程度か.

 

 

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オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

 

※1~※3 目論見書、有価証券報告書から引用
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