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インフォネット(4444)の初値予想/分析 2019年6月25日(火)上場

1. 基礎データ

 

インフォネット社は、WEBサイトを更新・管理・運用していくためのコンテンツ管理システム「infoCMS」を核にしたWEBサイト構築・保守を主な事業としております。

 

具体的には、新規導入に際して、WEBサイトの構築代金を受領し、当社CMS上に顧客の要望に沿ったWEBサイトを設計・デザイン・構築。

 

その後は、月額利用料として運用保守代金を受領し、CMSの運用サポート、不具合対応及び顧客依頼に基づく軽微な修正を行っています。

 

それほど魅力的にはうつらない事業でもあり、売上高の伸びは緩やかですが、利益率が高い点が注目点となると考えています。

 

また、現在の大株主は、フォーカスという企業で、ロックアップも180日以上かかっておりますが、この会社の移行も働きやすい点に留意しておいたほうが良いでしょう。

 

 


 

会社名 株式会社インフォネット(英語表記:infoNet inc.)
旧 インフォ福井ドットコム(infoFUKUI.com)
所在地 本社
〒100-0004
東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエア ウエストタワー2F
設立 2002年 10月
代表者名 代表取締役社長 岸本 誠
資本金等 5,300万円
社員数 77名(2019年1月現在)
役員 代表取締役社長 岸本 誠
取締役 日下部 拓也
取締役 南嶋 将人
取締役(非常勤) 東間 大
取締役(非常勤) 江村 真人
社外取締役(非常勤) 小尾 一介
事業内容 WEBサイト構築 CMSサイト構築
システム開発 ホスティングサービス ASPサービス
広告デザイン・印刷 映像制作

 

2. 成長企業判定

成長企業判定としては、売上の伸びが弱いため、×となっています。

ただし、着実に伸びている点が良いうえに、利益率が、20%近くある点が好印象

(2016年3月期は、売上762となっており、2017年3月期対比減収になっている点はややきになります。)

  売上 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2017/03 709   145      
2018/03 752 6% 163 12% 18% ×
2019/03 844 12% 171 9% 21% ×
2020/3予 968 15% 193 13% 28% ×
           

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

単独上場である点は、比較的初値高騰しやすい条件です。

 

 
仮条件決定日   2019/06/05(水)
抽選申込期間 2019/06/07(金) 2019/06/13(木)
公募価格決定   2019/06/14(金)
購入申込期間 2019/06/18(火) 2019/06/21(金)
上場日   2019/06/25(火)
想定価格(円)   1,350
公募価格決定(円)   1,490
想定価格からの上昇率   10.4%

 

 

公募株式数は50万株。吸収金額は10億円近くとこの規模の会社にしてはやや大きい印象。

 

公募株式数(単位:株) 500,000
公募(単位:株) 300,000
売出(単位:株) 200,000
売出比率 40.00%
オーバーアロットメント(単位:株) 75,000
発行済株数 1,927,500
オファリングレシオ 29.83%

 

4. 手取金の使途

 

手取金は、約4億円。

人件費、オフィス移転、広告宣伝、研究開発とまんべんなくお金を使う予定。

注目すべきは研究開発でしょうか

CMS製品は、高収益の原動力となっており、この製品開発にお金を投入するのは良いお金の使い方です。

 

 

 ①営業部門人員、製作部門人員の採用にかかる採用費及び人件費として123,000千円(2020年3月期 32,500千円、2021年3月期 43,000千円、2022年3月期 47,500千円)

 

②事業及び人員拡大に伴う本社オフィス増床等に伴う費用として60,000千円(2021年3月期60,000千円)、佐賀支社の人員拡大に伴うオフィス増床費用として5,000千円(2021年3月期5,000千円)、業容の拡大に伴う福井支社サーバのクラウド環境への移行費用として20,000千円(2020年3月期 20,000千円)

 

③会社認知度向上及び製品拡販のための広告宣伝費として77,000千円(2020年3月期 12,000千円、2021年3月期32,000千円、2022年3月期 33,000千円)

 

④CMS関連製品・サービス及びAI関連製品・サービスの新機能開発等にかかる研究開発費として116,240千円(2020年3月期40,000千円、2021年3月期37,000千円、2022年3月期39,240千円)また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。※1

5. 財務データ

 

売上、利益も比較的順調に成長しています。

純資産もここにきて、利益の積み上がりから、良い傾向が出ています。

 

バランスシートを見ると、借金はあるものの、流動資産がたくさんあり、特に問題はないと見受けられます。

隼有利子負債はゼロ。

 

 

 

 

f:id:IPOStudy:20190622104429p:plain※2

 

 

6. リスク分析

 

①大株主フォーカス社がおり、社長の持分が少なく、大株主の意向が強くなる可能性があります。イグジットをどこかで考える可能性もあるため、既存株主とはwin-winになる可能性ありますが、リスク要因として挙げられます。

 

②売上に、季節的な偏りがあり、3月に大きく売上がたつ企業です。

決算は第4四半期に偏ることを懸念しておいたほうが良いでしょう。

f:id:IPOStudy:20190622105001p:plain※3

 

 

7. 株主構成

 代表取締役の持分は2.5%です。

 

株主名 株数 売出 比率
(株)フォーカス  1,146,250 200,000 63.3
(株)アライアンスパートナー 262,500   14.5
(株)ベクトル 87,500   4.8
(株)パスファインダー 77,000   4.3
岸本 誠 45,500   2.5
SEホールディングス 35,000   1.9
Link Asia Capital(株) 17,500   1.0
日下部 拓也 10,500   0.6
南嶋 将人 10,500   0.6
東間 大 10,500   0.6
上位10名合計 1,702,750 200,000 94.0
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
(株)フォーカス    180  
(株)アライアンスパートナー   180 1.5
(株)ベクトル      
(株)パスファインダー   180  
岸本 誠   180  
SEホールディングス   180 1.5
Link Asia Capital(株)   180  
日下部 拓也      
南嶋 将人      
東間 大      

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

SBI主幹事案件。最近のSBI主幹事案件は、なかなかSBIポイントを投入しても当たらないみたいですね。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SBI証券 440,000 88.0
引受証券 SMBC日興証券 15,000 3.0
引受証券 藍澤證券 5,000 1.0
引受証券 極東証券 5,000 1.0
引受証券 岩井コスモ証券 5,000 1.0
引受証券 東洋証券 5,000 1.0
引受証券 むさし証券 5,000 1.0
引受証券 エイチ・エス証券 5,000 1.0
引受証券 岡三証券 5,000 1.0
引受証券 丸三証券 5,000 1.0
引受証券 東海東京証券 2,500 0.5
引受証券 エース証券 2,500 0.5


9. 提出会社の状況

平均年齢も比較的若く、給与水準もそれほど高い企業ではありません。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 78   35.2 3.5 4,595,000


10. 初値予想

 

 

1 市場 マザーズ
2 需給 1社
3 VC、SO VCあり
4 吸収金額 9億と中型、公募価格における時価総額約30億円
5 注目度 単独上場、枚数少な目、人気化しそうな業種である
   
a 流動性 ★★★★★ (5)
b タイミング ★★★★☆ (4)
c 事業内容 ★★★☆☆ (3)
d 注目度 ★★★★☆ (4)
e 財務安全度 ★★★★☆ (4)
f 初値予想 EPS72.11円にたいして、希少性が高いという需給から 4,300円程度か.

 

 

小型~中型程度のSBI案件。

人気化は必至で、初値も高騰しそう。

内容を見る限り、今後大きく伸びる企業ではないものの、利益率が高い点は評価できる。

 

初値としては需給の面から、即金規制になり、4300円~4500円程度の予想にします。

ある程度枚数はあるため、もう少し安く寄る可能性もあると思います。

 

↓初値予想良かったらご参加ください↓

 

 

初値予想
1490円以下
1490円~3000円
3000円~4000円
4000円~5000円
5000円~6000円
6000円以上
 
Created with Quiz Maker

 

 

 

↓もう一つ記事をいかがですか、SBI主幹事案件

 
オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

※1~※3 目論見書、有価証券報告書から引用
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