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フロンティアインターナショナル(7050) 2019年2月28日(木)上場

フロンティアインターナショナル(7050) 2019年2月28日(木)上場


1. 基礎データ

 

プロモーションを主に行う会社です。

 

具体的には、企業及び団体のマーケティング活動におけるプロモーション事業の請負、企画の立案、制作、運営業務を、各営業組織が企画から運営までを一貫して行うワンストップ体制で提供しておりいます。

 

多くの実績を通して蓄積した独自のノウハウによって、効果的で安全なイベントプロモーションを実現しており、イベントを立案する一人ひとりが特定の分野に精通し、知見を深めつつ組織として横の連携を図ることで、あらゆるニーズに対応できるプロデュース体制を確立しているとあります。

 

当社グループが行っているプロモーション事業は、「イベントプロモーション」、「キャンペーンプロモーション」、「PR」、「スペースプロデュース」、「デジタルプロモーション」、「店頭販売支援事業」の6つの機能に区分されます。

 

業績自体は好調で、高い利益率ではないですが、堅調な業績を続けております。東京Girls Collectionを扱っている会社で、若い女性にはなじみのある企業です。

 

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*1



 

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*2

 

設立は1990年とそれほど古い会社ではありません。

売上も100億円を超えており、堅調にビジネスは伸びております。

 

社名: 株式会社フロンティアインターナショナル
設立: 1990年6月
資本金: 33,675千円
決算期: 毎期4月
売上(連結): 121億円(2018年4月期)
役員: 代表取締役河村 康宏
専務取締役渡邊 伸一郎
常務取締役古井 貴
取締役清水 紀年
社外取締役岩﨑 明
常勤監査役田中 晃次
監査役中野 吉朗
監査役美澤 臣一
執行役員宗像 恒和
執行役員江口 貴宣
従業員数: 196名(2018年4月期)
取引銀行: 三菱UFJ銀行 東恵比寿支店
りそな銀行 渋谷支店
みずほ銀行 渋谷中央支店
業務内容 プロモーションの企画・制作・運営
・イベントプロモーション
・デジタルプロモーション
・パーソナルセリング
・プレミアムプロモーション
・スペースプロデュース
・インストアプロモーション
・パブリックリレーションズ
マーケティング/クリエイティブ

 

 

 


2. 上場スケジュールと想定価格

 

上場は、スマレジと同日であり、やや資金は分散しそう。

 

〇スケジュールと想定価格

  開始~終了(決定日)
仮条件決定日 2019/2/12
抽選申込期間 2/13~2/19
公募価格決定 2/20
購入申込期間 2/21~2/26
上場日 2/28
想定価格(円) 2,290
公募価格決定(円) 2,410

 

 

株数については、やや売出が多くイグジット感はありますが、ベンチャーキャピタルなどの持分は見当たらず、大きな売り圧力はなさそう。

 

 

 〇株数

公募株式総数(単位:株) 796,000
公募(単位:株) 171,600
売出(単位:株) 598,000
売出/総数 75%
オーバーアロットメント(単位:株) 115,400
発行済株数 4,353,000
オファリングレシオ 20.33%

 

ストックオプションは、行使価格が安いものがそれなりにあります。7%程度発行済み株式数に対してありますので、希薄化リスクはやや高いです。

 

ストックオプション

決議年月日 対象株数(株) 行使価格(円) 行使期間(自) 行使期間(至)
2010年3月16日 200,000 130 2012年3月17日 2020年3月16日
2011年4月14日 122,000 150 2013年4月15日 2021年4月14日

 


3. 手取金の使途

 

基本的には今回の手取り資金は、人件費による採用コストと本社の拡張の費用で大きなリターンを産むような投資ではない印象。

 

上記の差引手取概算額352,526千円は、①事業拡大に伴う人件費及び採用費、②本社オフィス増床に伴う費用に充当する予定であります。*3

 

 

①当社の事業拡大に伴う新規採用及び中途採用に伴う人件費及び採用費用として、282,526千円(2020年4月期:141,263千円、2021年4月期:141,263千円)を充当する予定

 

②2020年4月期中に本社オフィス増床を予定しているため、家賃として70,000千円(2020年4月期20,000千円、2021年4月期50,000千円)を充当する予定。

 

 


4. 財務データ

売上は堅調に推移しています。ただし、利益率が非常に高いわけではありません。

ビジネス自体は儲かっているものの、緩やかな成長にとどまり、今後の成長戦略の達成は期待されるところです。

 

  2017年4月 2018年4月 2018年10月
売上高 10,711 12,193 5,832
経常利益 843 1047 540
経常利益率 8% 9% 9%
当期純利益 503 713 355
従業員数 186 204  

 


5. リスク分析

リスクについて、大きくきになる箇所は見当たりませんでした。当然、不景気になればやや業績が落ち込むことは推測されます。

 

1点リスクについては、以下の季節要因があるところは懸念しておいたほうが良いです。

売上の季節変動について 当社グループが実施する案件は、企業のブランディング・販売促進等を目的としたイベント・PR・キャンペーン等が中心となっております。

 

中でも、夏のボーナス商戦、年末商戦、年度末商戦に向けての販促活動は、第1四半期(5月~7月)以外の時期に実施されることが多いため、当社グループの第1四半期売上高は、他の四半期売上高と比較して相対的に少なくなる傾向があります

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*4


6. 株主構成

ロックアップがかかっており、かつベンチャーキャピタルが見当たらないため大きな売り圧力はありません。

株主名 保有数(株) 割合(%) VC ロックアップ 期間 ロックアップ 株価
河村 康宏 2,800,000 62.51   180  
渡邊 伸一郎 600,000 13.4   180  
古井 貴 600,000 13.4   180  
三晃繊維工業(株) 200,000 4.47   180  
宗像 恒和 160,000 3.57   180  
江口 貴宣 28,000 0.63   180  
松本 正樹 24,000 0.54   180  
野口 光幸 20,000 0.45   180  
乗松 正 14,000 0.31   180  
(株)シュン・トクラ・アンド・アソシエイツ 10,000 0.22   180  
上位10名合計 4,412,000        

 


7. 主幹事証券

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SMBC日興証券 693,000 90.05
引受証券 SBI証券 30,700 3.99
引受証券 みずほ証券 15,300 1.99
引受証券 マネックス証券 15,300 1.99
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 15,300 1.99



SMBC主幹事ですね。ネット証券は少なめです。

 

 


8. 初値予想

プロモーションの会社でありますが、知名度もあることからやや人気しそう。

3500円~3700円程度まで初値は上昇する可能性があるとみています。

※寄り付く前ですが、強い気配ではなく公募割れの可能性も出て来ました。

 

資金がスマレジに集中しているようです。

 

PER20倍(EPS167円)強まで評価されるかどうか。

 

他社のプロモーション会社は低いPERがついていますので、知名度等で人気化するかどうか。利益率は他社よりは高いとみています。

 

優待なども想定しやすく、東京Girls Collctionなどブランドも保有していることから人気化はしそうです。

 

 

 

(用語)

オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができる。

 

*1~*4 目論見書より引用