東名(4439) 初値予想、分析 2019年4月3日(水)上場
1. 基礎データ
以下3つの事業を行っています。
■オフィス光119事業
光ファイバーをNTT等から仕入れて販売する光コラボレーションの事業。
また電気代のコストダウンを図るソリューション事業も展開
■オフィスソリューション事業
また、ビジネスフォンなどの中小企業向けソリューションビジネスの販売を行う事業
■ファイナンシャル・プランニング事業
みつばち保険の代理店(来店型保険代理店)
会社名 | 株式会社東名 |
---|---|
所在地 | 三重県四日市市八田二丁目1番39号 |
設立 | 1997年12月12日 |
代表者名 | 代表取締役社長 山本 文彦 |
資本金 | 65,972千円 |
事業内容 | ■オフィス光119事業 中小企業向け光コラボレーション「オフィス光119」の提供 インターネットサービス及びコンテンツ、サポートサービスの提供 ■オフィスソリューション事業 電力販売取次サービス エコソリューション Webソリューション 情報端末機器販売・セキュリティ オフィス用品通販 ■ファイナンシャル・プランニング事業 来店型ショップによる保険代理店 |
役員 | 代表取締役社長山本 文彦 常務取締役日比野 直人(営業本部長) 取締役直井 慎一(ES事業部担当) 取締役関山 誠(管理本部長) 社外取締役伊東 正晴 (弁護士) 社外監査役(常勤)志水 義彦 社外監査役渡邉 誠人(公認会計士・税理士) 社外監査役葉山 憲夫(特定社会保険労務士) |
2. 成長企業判定
直近の赤字から何とか利益をだせる状態になってきています。
ただし、利益率はそれほど高くなく、どちらかというと営業で稼ぐ企業。
光通信子会社のエフティコミュニケーションズが近い企業だといえそうです。
売上 | 成長率 | 経常利益 | 成長率 | 成長率合計 | 判定 | |
2016 | 4,287 | -850 | ||||
2017 | 7,924 | 85% | 150 | 85% | 〇 | |
2018 | 9,894 | 25% | 416 | 177% | 202% | 〇 |
2019 | 10,764 | 9% | 529 | 27% | 36% | × |
※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上
3. 上場スケジュールと想定価格
比較的前後にIPOがないスケジュール。
注目度は上がります。
自 | 至 | |
仮条件決定日 | 2019/03/14(木) | |
抽選申込期間 | 2019/03/18(月) | 2019/03/25(月) |
公募価格決定 | 2019/03/26(火) | |
購入申込期間 | 2019/03/27(水) | 2019/04/01(月) |
上場日 | 2019/04/03(水) | |
想定価格(円) | 3,290 | |
公募価格決定(円) | 3,290 | |
想定価格からの上昇率 | 0.0% |
公募が多め。まだ今後も成長していきたい意欲は感じられます。
公募株式数(単位:株) | 350,000 |
---|---|
公募(単位:株) | 300,000 |
売出(単位:株) | 50,000 |
売出比率 | 14.29% |
オーバーアロットメント(単位:株) | 52,500 |
発行済株数 | 2,400,000 |
オファリングレシオ | 16.77% |
4. 手取金の使途
手取金は、すべて、運転資金。
これだけ一つに資金を振り向けるのも珍しいパターン。
手取概算額898,040千円については、全額を運転資金に充当する予定であります。具体的には、「オフィス光119事業」(注)において、業容拡大を目的とした通信サービスの販売増加分に対応する、東日本電信電話株式会社並びに西日本電信電話株式会社からの光回線の仕入れ資金として、平成31年8月期に全額を充当する予定であります。
5. 財務データ
借入も10億円ほど、ネットの有利子負債はゼロ。
業績のブレが大きいようですが、比較的バランスシートの状態は良好。
過去の業績は比較的安定したと推測されます。
(ただし、税務上の繰越欠損金はあり)
6. リスク分析
光コラボレーション事業に集中しており、今後のこの事業がうまくいかなかった場合にはリスクがあります。比較的似た事業をやっている企業は多く、競合は多いという点も挙げられます。
7. 株主構成
社長に集中しております。エフティグループは同業ですが、協業している部分もあり、株主でもあります。また、ジャパンベストレスキューシステムも同じ名古屋の企業ということで株主に上がっています。
ベンチャーキャピタルはおらず、ロックアップも比較的しっかりかかっています。
株主名 | 株数 | 売出 | 比率 |
---|---|---|---|
山本 文彦 | 1,729,600 | 50,000 | 78.7 |
(株)エフティグループ | 200,000 | 9.1 | |
日比野 直人 | 81,000 | 3.7 | |
(株)三重銀行 | 40,000 | 1.8 | |
東名従業員持株会 | 28,200 | 1.3 | |
直井 慎一 | 28,000 | 1.3 | |
関山 誠 | 22,000 | 1.0 | |
ジャパンベストレスキューシステム | 20,000 | 0.9 | |
水口 博信 | 7,000 | 0.3 | |
水嶋 淳 | 7,000 | 0.3 | |
上位10名合計 | 2,162,800 | 50,000 | 98.4 |
株主名 | VC | LU(日数) | LU(株価) |
山本 文彦 | 180 | ||
(株)エフティグループ | 90 | 1.5 | |
日比野 直人 | 180 | ||
(株)三重銀行 | 90 | 1.5 | |
東名従業員持株会 | |||
直井 慎一 | 180 | ||
関山 誠 | 180 | ||
ジャパンベストレスキューシステム | 90 | 1.5 | |
水口 博信 | |||
水嶋 淳 |
※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。
基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。
8. 主幹事証券
主幹事は東海東京。
東海東京、2019年は主幹事多いですね。
シンジケート | 証券会社名 | 割当数(株) | 割当(%) |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 東海東京証券 | 315,000 | 90.0 |
引受証券 | みずほ証券 | 10,500 | 3.0 |
引受証券 | SBI証券 | 7,000 | 2.0 |
引受証券 | 楽天証券 | 3,500 | 1.0 |
引受証券 | 岡三証券 | 3,500 | 1.0 |
引受証券 | 極東証券 | 3,500 | 1.0 |
引受証券 | いちよし証券 | 3,500 | 1.0 |
引受証券 | エース証券 | 3,500 | 1.0 |
9. 提出会社の状況
比較的若い社員が多く、臨時雇用社員も多い状況。自社でコールセンターなどもありますので、社員数は多め。
従業員 | 臨時雇用 | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(円) | |
提出会社の状況 | 284 | 128 | 30.3 | 3.7 | 4,073,000 |
10. 初値予想
バリュエーションとしては、比較的高いPER16倍程度。
業種もそれほど人気しないイメージもあります。3700円を初値予想とします。
1 | 市場 | マザーズ |
---|---|---|
2 | 需給 | 1社、前後IPO少ない |
3 | VC、SO | VCはなし |
4 | 吸収金額 | 13億と小型~中型、公募における時価総額約78億円 |
5 | 注目度 | 注目度は低めか |
a | 流動性 | ★★★☆☆ (3) |
b | タイミング | ★★★☆☆ (3) |
c | 事業内容 | ★★☆☆☆ (2) |
d | 注目度 | ★★☆☆☆ (2) |
e | 財務安全度 | ★★★☆☆ (3) |
f | 初値予想 | 3,700円 |
オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数
※1~※ 目論見書、有価証券報告書から引用
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