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東海ソフト(4430) 上場 2019年2月27日

 

1.概要

独立系ソフトウエア開発会社ですが、多くのソフトウエア開発の協力会社を活用し、ソフトウエア受託開発及びソフトウエア開発に係る役務の提供を主な事業としています。

 

得意な分野としては、FA(ファクトリーオートメーション)や組込み(車載、民生、量産、試作)ソフト開発、ネットワークインフラの技術を中心に、システムをトータルに構築する技術があります。

 

創業1970年と古参の会社で、堅実な印象です。

 

 

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※1

商号 東海ソフト株式会社
設立 1970年
資本金 2億2,115万円
設立年 2005年
役員 取締役会長 長尾 正己
代表取締役社長 伊藤 秀和
常務取締役 大川 稔
取締役 水谷 慎介
取締役 仲原 龍
取締役 山下 一浩
監査等委員
(常勤) 齋藤 敏男
監査等委員
(非常勤) 加藤 勝也
監査等委員
(非常勤) 上久保 博幸
執行役員 市野 雄志
詳細

取引銀行
りそな銀行
三菱UFJ 銀行
大垣共立銀行
従業員数 455名(2018年5月期)
売上高 57億円(2018年5月期)
加盟団体
・(社)組込みシステム技術協会
・(社)愛知県情報サービス産業協会
・TOPPERS

業種 情報・通信業
事業内容 Atlassian Pty Ltd.が開発するプロジェクト管理用ツールをはじめとしたソフトウェア製品のライセンス販売及び導入支援等

 

 

2. 上場スケジュールと想定価格

  開始 終了
仮条件決定日 2019/2/6
抽選申込期間 2/8 2/15
公募価格決定 2/18
購入申込期間 2/19 2/22
上場日 2/27
想定価格(円) 1,290
公募価格決定(円) 1,500
公募株式数(単位:株) 600,000
公募(単位:株) 580,000
売出(単位:株) 20,000
オーバーアロットメント(単位:株) 90,000
発行済株数 2,246,800
オファリングレシオ 30.71%


3. 手取金の使途

資金の使途は、それほど重要性が高い案件ではないと思われます。

基幹システムの改修は良いと思いますが、エレベーターなどに関する費用を資本資金で賄うというのは少し珍しいですし、効率的ではないかもしれません。

人材については各社積極的採用を進めておりますが株式で対応する必要があるのでしょうか。

 

手取概算額683,085千円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限107,392千円と合わせて、設備資金、借入金の返済及び運転資金に充当する予定であります。

具体的には、以下の通りであります。※2

 

 

①設備資金

  • 本社エレベータ及び本社貨物エレベータ等の改修平成31年5月期に35,000千円、平成32年5月期に35,000千円)
  • 基幹業務システムの改修(平成31年5月期に6,000千円、平成32年5月期に35,000千円、平成33年5月期以降に9,000千円)
  • サーバ等IT投資(平成31年5月期に44,000千円、平成32年5月期に44,000千円、平成33年5月期以降に45,000千円)の合計253,000千円の一部241,237千円を充当

 

 

②借入金の返済 長期借入金の返済として平成31年5月期に312,898千円を充当

 

③運転資金

 

  • 人材採用費(平成31年5月期に22,000千円、平成32年5月期に22,000千円、平成33年5月期以降に22,000千円)、
  • 広告宣伝費(平成31年5月期に10,500千円、平成32年5月期に10,500千円、平成33年5月期以降に10,500千円)、
  • 研究開発費(平成31年5月期に10,000千円、平成32年5月期に10,000千円、平成33年5月期以降に10,000千円)
  • 業務システム及びITインフラの維持管理費(平成32年5月期に21,000千円、平成33年5月期以降に21,000千円)の169,500千円を充当する予定
  • また、残額は、教育研修費及び研究開発費のための運転資金に充当

 

4. 財務データ

 

売上の伸び及び利益もここ数年は横ばい

安定した経営はなされていますが大きな特徴がある企業ではないかもしれません。

期待されそうなのは、配当性向の向上などの株主還元策に期待が高まります。

 

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5. リスク分析

 

これはシステム会社ではよくありますが、景気変動リスクつまり企業のシステム投資が止まると影響を受けます。

組み込み系をシステムは、自動車など景気敏感なセクターに対応しているものも多いため、この点は注意が必要です。

また、日立グループにおける売上が多いので、この点も留意が必要です。

景気変動によるリスク 

・不採算プロジェクト及びトラブル・クレーム発生に関するリスク

・大口顧客依存に関するリスク 日立グループとの大口取引実績売上高(千円) 売上比率(%)平成29 年5月期 1,167,404 21.4%平成30 年5月期 1,452,113 25.1(注)

 


6. 株主構成

株主名 株数 売出 割合(%) VC ロックアップ① ロックアップ②
東海ソフト社員持株会 434,580 26.07 180日間
水谷 慎介 432,000 179100 25.92 90日間
水谷 多嘉士 197,000 11.82 90日間
伊藤 秀和 163,250 9.79 90日間
大川 稔 72,000 4.32 90日間
長尾 正己 67,000 4.02 90日間
(株)りそな銀行 60,000 3.6 90日間
(株)ネクスティエレクトロニクス 51,750 3.1
(株)大垣共立銀行 30,000 1.8 90日間
(株)OKBキャピタル 30,000 1.8 90日間
上位10名合計 1,425,830 179,100 85.5  

 

ロックアップもしっかりあり、また創業者が多く売り出すこともないので、それほど値動きは激しくならない可能性もあります。

 

7. 主幹事証券

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 野村證券 510,000 85
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 24,000 4
引受証券 むさし証券 24,000 4
引受証券 みずほ証券 12,000 2
引受証券 SMBC日興証券 6,000 1
引受証券 SBI証券 6,000 1
引受証券 東海東京証券 6,000 1
引受証券 岡三証券 6,000 1
引受証券 エース証券 6,000 1

8. 初値予想

2000円~2,300円程度の初値を予想。

PER20倍を超えると割高な印象をもってます。

 

結果は、2,872円と個人的には大幅高で寄り付き。

堅実とはいえ、システム会社の評価としては高すぎたようで、当日はストップ安を含め大幅安の2,469円で引けました。