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ギークス(7060) 初値予想 2019年3月20日(水)東証マザーズ上場

1. 基礎データ

 

2007年創業の当社。

ゲーム、動画事業、IT人材事業、IT人材育成事業、インターネット事業と多角化しながら、売上高比率10%以上の利益を達成しています。

 

以下、当社の沿革。

 

2007年 8月
株式会社ベインキャリージャパンを設立

2010年 4月
ゲーム事業を開始

2013年 1月
NexSeed Inc.を設立

2013年 10月
社名をギークス株式会社に変更

2014年 1月
動画事業を開始

2014年 10月
IT人材事業 大阪支店を開設

2015年 1月
インターネット事業を開始

2016年 2月
IT人材事業 名古屋サテライトオフィスを開設

2016年 5月
IT人材事業 福岡支店を開設

2018年 5月
G2 Studios株式会社を設立 

 

やや、わかりにくい当社ですが、一番稼いでいるのはIT人材事業。セグメント上の利益率は、50%を超えています。詳しく説明すると、IT人材事業は、ITフリーランスの技術スキル・経験・志向性等をベースに、サービスやプロダクト等のシステム開発にニーズのある企業と最適なマッチングを実現しています。

 

ITフリーランス不足を課題としている顧客企業から当社グループがプロジェクト単位で開発案件の委託を受け、当社グループからITフリーランスへ発注しており、利益が出やすい仕組みができています。

 

IT人材育成事業については、フィリピンセブ州において、合宿型でプログラミングと英語を学ぶことができる「エンジニア留学」事業を行っています。

 

この人材関連が同社の強みです。

 

ゲーム事業、動画事業も黒字ですが、やや規模は小さく、インターネット事業はまだこれからですが、小さい赤字となっています。

 

会社名 ギークス株式会社
所在地 東京都渋谷区道玄坂二丁目11番1号
設立 2007年8月23日
代表者名 代表取締役社長 曽根原 稔人
資本金 419,941,000円
事業内容 IT人材事業
動画事業
インターネット事業
ゲーム事業(G2 Studios株式会社)
IT人材育成事業(NexSeed Inc.)
役員 代表取締役社長 曽根原 稔人
取締役 佐久間 大輔
取締役 成末 千尋
取締役 松島 俊行
監査役 佐々木 貴
監査役 秦 信行
監査役 花木 大悟
執行役員 桜井 敦
執行役員 高原 大輔

  


2. 上場スケジュールと想定価格

 

3社同時上場翌日の単独上場。

マザーズで人気化しそうな業種です。

初値も高騰しそうだとみています。

 

 
仮条件決定日   2019/03/04(月)
抽選申込期間 2019/03/05(火) 2019/03/11(月)
公募価格決定   2019/03/12(火)
購入申込期間 2019/03/13(水) 2019/03/18(月)
上場日   2019/03/20(水)
想定価格(円)   1,930
公募価格決定(円)   1,930
想定価格からの上昇率   0.0%

 

 

売出はほとんどなく、今後も高い成長を目指す当社。

ストックオプションは20万株程度あり。

 

公募株式数(単位:株) 810,000
公募(単位:株) 622,000
売出(単位:株) 188,000
売出比率 23.21%
オーバーアロットメント(単位:株) 121,500
発行済株数 5,050,920
オファリングレシオ 18.44%


3. 手取金の使途

 

凡そ11億の手取り資金及び第三者割当2億円の資金については、以下の通り①設備資金、②運転資金、③子会社の投資資金の予定です。

 

 

手取概算額1,092,423千円に本第三者割当増資の手取概算額上限214,980千円と合わせた、手取概算額合計上限1,307,403千円については、①設備資金、②運転資金及び③子会社への投融資資金等として以下の使途に充当する予定 ※1

 


4. 財務データ

 

売上、利益ともに高成長を継続しています。

特に利益率が高いことが特徴です。

経常利益率10%以上でありバランスシートも問題なしです。

借入金5億円程度ありますが、現預金はそれ以上あり、実質無借金。

今後の成長が続くかが当社を評価するカギです。

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※2


5. リスク分析

主にWebシステムやスマートフォン向けアプリ制作などに強みを持つITフリーランスを中心に集めていますが、今後も企業の各種システムやサービス開発への投資ニーズが増加傾向にあると予測され、ITフリーランスの確保について同業他社との競争は激しくなると考えられる点が一番のリスクです。

人材が当社のビジネス拡大のカギとなります。

 

またゲーム事業は、現時点で黒字ですが競争が激しいため、リスクとして挙げられそうです。

 


6. 株主構成

売出は少なく、今後も拡大を目指していく姿勢がうかがえます。

ベンチャーキャピタルが、3社入っており、ロックアップ1.5倍解除あたりはやや注意です。2895円が、1.5倍の価格です。

 

 

株主名 株数 売出 比率
曽根原 稔人 1,776,000   38.4
合同会社ベインパートナーズ 1,700,000   36.7
WMグロース3号投資事業有限責任組合 691,880 188,000 15.0
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 117,640   2.5
加賀電子(株) 50,000   1.1
丸山 大 40,000   0.9
(株)グッドスマイルカンパニー 33,400   0.7
佐久間 大輔 26,600   0.6
成末 千尋 17,000   0.4
桜井 敦 17,000   0.4
上位10名合計 4,469,520 188,000 96.6
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
曽根原 稔人   180  
合同会社ベインパートナーズ 180  
WMグロース3号投資事業有限責任組合 90 1.5
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 90 1.5
加賀電子(株)      
丸山 大   180  
(株)グッドスマイルカンパニー   180  
佐久間 大輔      
成末 千尋      
桜井 敦      
上位10名合計      

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


7. 主幹事証券

 

SMBC日興証券が主幹事。

比較的中堅証券も多く引受先となっています。

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SMBC日興証券 729,000 90.0
引受証券 SBI証券 24,300 3.0
引受証券 東洋証券 16,200 2.0
引受証券 エース証券 8,100 1.0
引受証券 水戸証券 8,100 1.0
引受証券 岩井コスモ証券 8,100 1.0
引受証券 岡三証券 8,100 1.0
引受証券 いちよし証券 8,100 1.0

 

 

 


8. 提出会社の状況

 

平均年齢は若く30.6歳。

平均給与はそれほど高くなく、これから人材を集められるかがカギです。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 86   30.6 2.5 4,404,000


9. 初値予想

 2019年3月期の、連結予想EPSは90.02円です。PERは、21倍程度。

単独上場であることから、PER30倍は超えますが、3000円程度の初値を予想。

 

ただし、ロックアップ解除となる2,895円を超えた場合、株価は動きやすくボラティリティが大きい可能性があります。

 

 

↓↓以下の初値予想の記事もいかがですか?↓↓

ipostudy.hatenablog.com

 


オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

 

※1~※2 目論見書、有価証券報告書から引用
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