ハウテレビジョン(7064) 初値予想/分析 2019年4月24日上場
1. 基礎データ
外資就活ドットコムを運営するハウテレビジョン。
名前の通り、外資向けのハイレベルな新卒向け就活サイトがメイン。
サイトのインターフェース自体は、作りこまれている感じはないが、比較的高単価である外資系の新卒を扱う特化しているサイトとなっており、差別化は図られています。
2010年から開始したサービスは、学生だけが会員登録できるキャリアプラットフォームとしてサービスを公開しており、志望企業の外資・日系を問わず世界で挑戦したいと考える学生を対象とし、インターンシップ・就職活動を通じた成長環境を提供しています。
会社名 | 株式会社ハウテレビジョン |
---|---|
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3丁目10-13 TOKYU REIT渋谷Rビル8F |
設立 | 2010年2月9日 |
代表者名 | 代表取締役社長 音成 洋介 |
資本金 | 56,500,000円 |
事業内容 | キャリアプラットフォーム運営事業 |
取締役 | 代表取締役社長音成 洋介 取締役長村 禎庸 取締役西塚 慎太郎 社外取締役赤池 敦史 社外取締役秋山 純 |
2. 成長企業判定
2010年創業で、近年は急拡大中。
高い成長を示しており、人材ビジネスが現時点で良いということを差し引いても業績は順調に拡大中です。
売上 | 成長率 | 経常利益 | 成長率 | 成長率合計 | 判定 | |
2016 | 299 | -22 | ||||
2017 | 324 | 8% | -11 | 8% | × | |
2018 | 390 | 20% | 10 | 191% | 211% | 〇 |
2019 | 658 | 69% | 69 | 590% | 659% | 〇 |
2020 | 824 | 25% | 92 | 33% | 59% | 〇 |
※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上
3. 上場スケジュールと想定価格
スケジュールは、かなり空いた4月後半のIPO
単独でもあり初値が高騰しやすい案件となっています。
自 | 至 | |
仮条件決定日 | 2019/04/04(木) | |
抽選申込期間 | 2019/04/08(月) | 2019/04/12(金) |
公募価格決定 | 2019/04/15(月) | |
購入申込期間 | 2019/04/16(火) | 2019/04/19(金) |
上場日 | 2019/04/08(月) | |
想定価格(円) | 1,210 | |
公募価格決定(円) | 1,210 | |
想定価格からの上昇率 | 0.0% |
公募株式数(単位:株) | 316,000 |
---|---|
公募(単位:株) | 220,000 |
売出(単位:株) | 96,000 |
売出比率 | 30.38% |
オーバーアロットメント(単位:株) | 47,400 |
発行済株数 | 1,220,000 |
オファリングレシオ | 29.79% |
4. 手取金の使途
2億9千万円の手取金については、プラットフォームの改良に使われる予定です。
①事業資金230,169千円 当社の基幹事業であるキャリアプラットフォーム事業、とりわけ「外資就活ドットコム」「Liiga」といったプラットフォームの改良、
さらにそれらに付随する新たなサービスへの投資(事業拡大のための移転費用等を含む。)のための資金(平成32年1月期:20,000千円、平成33年1月期:160,000千円、平成34年1月期:50,169千円)であります。
②人材の採用費用60,000千円 当社は、平成32年1月期以降、事業の拡大に伴い1年当たり約10人程度の増員を想定しております。
当社の事業拡大に優秀な人材の確保は不可欠な課題であり、そのために一人当たり2,000千円程度の採用コスト(平成32年1月期:20,000千円、平成33年1月期:20,000千円、平成34年1月期:20,000千円)を見込んでおります。
5. 財務データ
業績は拡大中だが、赤字の時期も3期あり、かなり凸凹した利益の推移。
有利子負債もあり、人材ビジネスがシクリカルであることも考えると、やや財務的な懸念は残る。
※1
6. リスク分析
人材関係であり、季節変調があります。
1Q,2Qの決算が利益面ではよい結果が出そうです。
またウェブサイトに依存しているので、その点もリスクとして挙げられます。
※2
7. 株主構成
社長が50%以上保有し、VCもなし、初値は高騰しやすい構成です。
社長は、バークレイズ証券→アドバンテッジパートナーズ→当社設立と
まだまだ成長意欲は強そうです。
しっかり中身をみて分析したい企業となるかもしれません。
株主名 | 株数 | 売出 | 比率 |
---|---|---|---|
音成 洋介 | 700,000 | 30,000 | 65.8 |
音成 恵里 | 200,000 | 66,000 | 18.8 |
エン・ジャパン(株) | 100,000 | 9.4 | |
長村 禎庸 | 15,000 | 1.4 | |
津田 泰之 | 11,000 | 1.0 | |
西塚 慎太郎 | 8,000 | 0.8 | |
佐々木 康太朗 | 8,000 | 0.8 | |
千田 拓治 | 2,500 | 0.2 | |
大里 健祐 | 2,000 | 0.2 | |
丸山 紀一朗 | 2,000 | 0.2 | |
上位10名合計 | 1,048,500 | 96,000 | 98.5 |
株主名 | VC | LU(日数) | LU(株価) |
音成 洋介 | 180 | ||
音成 恵里 | 180 | ||
エン・ジャパン(株) | 180 | ||
長村 禎庸 | |||
津田 泰之 | |||
西塚 慎太郎 | |||
佐々木 康太朗 | |||
千田 拓治 | |||
大里 健祐 | |||
丸山 紀一朗 |
※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。
基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。
8. 主幹事証券
主幹事は、みずほ。
今回はなかなか良い案件となりそうかと思います。
シンジケート | 証券会社名 | 割当数(株) | 割当(%) |
---|---|---|---|
主幹事証券 | みずほ証券 | 287,900 | 91.1 |
引受証券 | 野村證券 | 6,300 | 2.0 |
引受証券 | SBI証券 | 6,300 | 2.0 |
引受証券 | SMBC日興証券 | 3,100 | 1.0 |
引受証券 | マネックス証券 | 3,100 | 1.0 |
引受証券 | 岩井コスモ証券 | 3,100 | 1.0 |
引受証券 | 東海東京証券 | 3,100 | 1.0 |
引受証券 | いちよし証券 | 3,100 | 1.0 |
9. 提出会社の状況
若い従業員ですが、給与も高水準。
これは、企業として付加価値をつけるため良い人材を獲得している可能性もあり、個人的には成長企業になるのではと思います。
従業員 | 臨時雇用 | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(円) | |
提出会社の状況 | 32 | 8 | 32.5 | 1.7 | 6,544,311 |
10. 初値予想
小型、単独、マザーズという初値高騰可能性が高い案件。
初日に値段がつくかは微妙な感じになりそうです。
初日は、成長可能性の資料をよく読む感じになるでしょうか。
需給によりPER60オーバーとなりうる可能性もありそうで、
3000円~3200円程度の初値予想とします。
1 | 市場 | マザーズ |
---|---|---|
2 | 需給 | 1社単独 |
3 | VC、SO | VCはなし |
4 | 吸収金額 | 4億と小型、公募価格における時価総額約14億円 |
5 | 注目度 | 競合多く割安感やや乏しいが、スケジュール面で人気 |
a | 流動性 | ★★☆☆☆ (2) |
b | タイミング | ★★★★☆ (4) |
c | 事業内容 | ★★★☆☆ (3) |
d | 注目度 | ★★★★☆ (4) |
e | 財務安全度 | ★★☆☆☆ (2) |
f | 初値予想 | 3000円~3200円 EPS50円に対して、PER60程度はありえるか |
オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数
※1~※3 目論見書、有価証券報告書から引用
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