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Welby (4438)  初値予想/分析  2019年3月29日(金)

1. 基礎データ

 

多くの収入は、PHRプラットフォームを製薬会社等に提供することによるもの。

多くの製薬会社と取引があることから、今後も安定的な事業の拡大が見込めそうです。

売上の多くは製薬会社になっており、以下の通り、大手製薬がずらり。

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※1

 

 

収益というわけではなく、基礎情報を取得するためのマイカルテなどの提供を行うため、、医療機関を通じて、当社のアプリを患者に照会。

 

アプリをダウンロードしてもらい、当社のアプリに患者の自らの健康・医療情報等を当社のプラットフォームに保存。

 

収益は、企業(製薬会社)と医療機関からで、個人からは恐らく利用料をとっていません。

 

製薬企業向けには、共同開発した対象サービスの利用患者数等の統計情報をマーケティング目的で提供しており、各患者個別データ(個人情報含む)については提供しておりませんと記載があるように、個人情報の扱いには慎重な様子が見て取れます。

 

 

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※2

ダウンロード数は着実に増加していませす。高齢者のアクティブ率が高いのも比較的良い印象でしょう。

 

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 ※3


 

会社名 Welby
所在地 東京都中央区日本橋本町3-8-3 東硝ビル5階
設立 2011年9月1日
代表者名 代表取締役社長  比木 武
資本金 6億8490万円
事業内容 患者の自己管理をサポートするPHR)プラットフォームサービスを展開
(※PHRとは、個人によって電子的に管理される自らの健康・医療情報のことを指す)

 

 

2. 成長企業判定

 

成長企業判定としては、3年連続〇 黒字化も果たしたうえで、利益もきっちりだしてきています。ただし、今期予想は54%。鈍化しないかが懸念されます。

 

  売上 成長率 経常利益 成長率 成長率合計 判定
2016 253   -136      
2017 474 87% -76 44% 131%
2018 808 70% 153 301% 372%
2019 1,083 34% 184 20% 54%

 

 

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか 

例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

3社同時上場の翌日の2社同時上場

 

公募価格は、5200円で決定。

かなり強気の決定です。

公募株式数も少ないことから相当高い初値になりそう。

 

 
仮条件決定日   2019/03/12(火)
抽選申込期間 2019/03/13(水) 2019/03/19(火)
公募価格決定   2019/03/20(水)
購入申込期間 2019/03/22(金) 2019/03/27(水)
上場日   2019/03/29(金)
想定価格(円)   3,660
公募価格決定(円)   5,200
想定価格からの上昇率   42.1%

 

 

公募株式数(単位:株) 163,700
公募(単位:株) 66,700
売出(単位:株) 97,000
売出比率 59.25%
オーバーアロットメント(単位:株) 24,500
発行済株数 1,930,000
オファリングレシオ 9.75%

 

4. 手取金の使途

 

三者割当と併せ、約4.3億円の手取金

 

PHRプラットフォームの開発、改修 2.5億円

②治療サポート効果のクリニカル・エビデンス構築に係る費用 0.7億

③残額は、上記①②に充当

① 当社が運営するPHRプラットフォームサービス事業における患者及び医療機関向けの新規PHRプラットフォームの開発及び改修に係る費用として248,000千円

 

(2019年12月期:112,000千円、2020年12月期:68,000千円、2021年12月期:68,000千円)。

 

内訳は、自社開発ソフトウエアとしてオンコロジー(がん全般)におけるPHRプラットフォームの開発費用として2019年12月期に35,000千円を充当し、残額はすべて改修費用に係る費用として充当する予定であります。

 

② 今後の事業拡大のために必要となる、PHRプラットフォームの医療実臨床現場における治療サポート効果のクリニカル・エビデンス構築に係る費用として72,425千円(2019年12月期:17,400千円、2020年12月期:30,000千円、2021年12月期:25,025千円)。

 

具体的には、医療機関等と共同で各疾患における実臨床研究の実施及びその結果のデータ解析並びにその成果を発表するための各種学会への出展、セミナー開催に係る費用として62,425千円

 

 

(2019年12月期:17,400千円、2020年12月期:30,000千円、2021年12月期:15,025千円)、実臨床研究の実施及びデータ解析のための専門家等の人材採用費として2021年12月期に10,000千円を充当する予定であります※4

 

5. 財務データ

 増資により、手資金は厚いです。

ただし過去の赤字により利益剰余金はマイナス。

特に大きな負債はありませんしバランスシート自体に問題はありません。

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6. リスク分析

 

同様の新規サービスによる脅威などがあげられます。

その点は目論見書にも記載があり、プラットフォームとしてユーザー獲得は順調ですが、注意が必要です。

 

また、第1四半期、第4四半期に業績が偏る季節変動

日系製薬企業の決算期のある第1四半期(1から3月)及び外資系製薬企業の決算期のある第4四半期(10から12月)において、いずれも納品・検収となる案件が多く、この結果、売上高及び利益がそれらの時期に集中する傾向があります。※5

さらに、個人上の取り扱いについても当社のリスクといえそうです。

 

 

 

 

7. 株主構成

 

社長が40%保有

デジタルガレージは投資がうまいですね。こういったベンチャーにきっちり出資。

ロックアップは強め。

株主名 株数 売出 比率
比木 武 852,000 20,000 42.4
デジタルガレージ 370,000   18.4
(株)ブライトリンクパートナーズ 140,000 20,000 7.0
日本郵政キャピタル(株) 110,000   5.5
姜 琪鎬 100,000 20,000 5.0
成松 淳 50,000 4,000 2.5
森下 満成 42,000 12,000 2.1
高橋 朗 37,000 10,000 1.8
立石 知雄 32,000   1.6
(株)ワン 30,000   1.5
上位10名合計 1,763,000 86,000 87.8
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
比木 武   180  
デジタルガレージ   180  
(株)ブライトリンクパートナーズ   180  
日本郵政キャピタル(株)      
姜 琪鎬   180  
成松 淳   180  
森下 満成   180  
高橋 朗   180  
立石 知雄   180  
(株)ワン   180  

 

 

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

 

2019年はSMBC主幹事多いようです。

本件はプレミアムチケットとなりそうです。

 

 

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 SMBC日興証券 155,000 90.1
引受証券 みずほ証券 5,100 3.0
引受証券 大和証券 5,100 3.0
引受証券 岡三証券 1,700 1.0
引受証券 いちよし証券 1,700 1.0
引受証券 SBI証券 1,700 1.0
引受証券 マネックス証券 1,700 1.0


9. 提出会社の状況

 

比較的年収は高め、エンジニアなど多数採用していそうです。

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 33 14 36.8 1.6 5,994,000


10. 初値予想

①事前調査

小型かつ、医療系、プラットフォーム系と人気化は必至。

タイミングは終盤となってきているので、割引は必要ですが高騰しそうな企業です。

EPS81円からバリュエーションをPER100倍越えとなりますが10000円は超えてくる可能性ありです。強気で10000円~12000円と予想してみます。

 

同じではないが、医師側のプラットフォームでメドピアがPER80倍程度。

 

②即金規制

初日気配上限11,960円に、達成し、即金規制となりました。

2日目27,510円が気配の上限ですが、小型かつ資金集中の地合ということで、18,000円を初値予想としてみます。

 

1 市場 マザーズ
2 需給 2社同時上場
3 VC、SO VCはなし(デジタルガレージはVC扱いせず)
4 吸収金額 10億と小型、公募における時価総額100億円
5 注目度 急成長をイメージさせる業種か
   
a 流動性 ★★★★★ (5)
b タイミング ★★☆☆☆ (2)
c 事業内容 ★★★☆☆ (3)
d 注目度 ★★★★☆ (4)
e 財務安全度 ★★★☆☆ (3)
f 初値予想 10,000円~12,000円→18,000円

 

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オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

 

※1~※5 目論見書、有価証券報告書から引用
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