NATTY SWANKY (7674) 初値予想/分析 2019年3月28日(木)
1. 基礎データ
当社は、「餃子」という流行り廃りがなく、年間を通して食べられる食材をメインとして、「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」を展開しており、事業区分は「飲食事業」の単一セグメントとなります。
2018年12月末現在の「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」の店舗数は、直営店47店、フランチャイズ店19店となっております
会社名 | 株式会社NATTY SWANKY |
---|---|
所在地 | 東京都新宿区西新宿1-19-8 新東京ビル7階 |
設立 | 2001年8月1日 |
代表者名 | 代表取締役社長 井石裕二 |
資本金 | 1,340万円 |
事業内容 | 飲食店経営 |
役員 | 代表取締役社長 井石裕二 取締役副社長 田中竜也 取締役管理部長 金子正輝 取締役 (社外) 杉本佳英 常勤監査役 (社外) 井上重平 監査役 (社外) 馬塲亮治 監査役 (社外) 廣瀬好伸 |
取引先 | サントリー酒類株式会社 株式会社カクヤス 株式会社河内屋 サクラ食品工業株式会社 株式会社フードサプライ |
2. 成長企業判定
※1
売上は、40%程度ずつ増加。
利益も拡大傾向にあります。
店舗数が順調に増加していることが確認できるので、どこまで拡大余地があるのか。外食産業は、人件費の高騰など拡大には難しい印象が多いですが、どこまで余地があるかが気になる所。既存店売上など開示がないので、要確認です。
売上 | 成長率 | 営業利益 | 成長率 | 成長率合計 | 判定 | |
2017 | 2028 | 68 | ||||
2018 | 2939 | 45% | 157 | 131% | 176% | 〇 |
2019 | 4002 | 36% | 329 | 110% | 146% | 〇 |
※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上
3. 上場スケジュールと想定価格
3社同時上場。
スケジュール的にはやや、初値が限られそう。
自 | 至 | |
仮条件決定日 | 2019/03/11(月) | |
抽選申込期間 | 2019/03/12(火) | 2019/03/18(月) |
公募価格決定 | 2019/03/19(火) | |
購入申込期間 | 2019/03/20(水) | 2019/03/26(火) |
上場日 | 2019/03/28(木) | |
想定価格(円) | 3,270 | |
公募価格決定(円) | 3,270 | |
想定価格からの上昇率 | 0.0% |
公募が多めです。成長意欲十分。
希薄化には注意です。
公募株式数(単位:株) | 512,000 |
---|---|
公募(単位:株) | 430,000 |
売出(単位:株) | 82,000 |
売出比率 | 16.02% |
オーバーアロットメント(単位:株) | 76,800 |
発行済株数 | 2,038,000 |
オファリングレシオ | 28.89% |
社長、副社長が同数株式を保有。比較的若い社長。
些細なことですが、誕生日が1日違いですね。餃子でお祝いでもするのでしょうか。
※2
4. 手取金の使途
第三者割当込みで15億円の資金調達(以下凡その資金の割り当て)
①人件費 7.1億円
②店舗関連 5億円(2020年6月期出店15店舗予定)
③店舗関連 2.9億円(2021年6月期店舗関連費用)
新規出店に伴う、人件費及び人材採用費として715,000千円(2020年6月期313,000千円、2021年6月期402,000千円)を充当する予定であります。
② 事業規模拡大のため、2020年6月期に新規に開店を予定している当社直営店舗15店舗の差入保証金及び固定資産等の取得費用の一部として500,000千円、
残額は2021年6月期に開店を予定している当社直営店舗の差入保証金及び固定資産等の取得費用の一部に充当する予定であります。
5. 財務データ
店舗数の拡大とともに売上、利益は増加。
バランスシート上では流動比率が100%を割っており、有利子負債が10億円程度と比較的大きい額があります。
また、キャッシュフローでも営業CFより投資CFが上回っており、積極的に店舗拡大している姿が見受けられます。
今回の上場による資金調達も投資に回すことから意欲的に投資していることは評価できますが、売上が伸びなくなった際のリスクはややあるということがいえそうです。
※3
6. リスク分析
目論見書には多くの項目が記載されていますが、2点あげると
①単一ブランドによる依存が大きいこと
②また、借入金の依存度が高いことがあげられます。
財務制限条項が、それほど厳しい条件ではないですが、2期連続経常赤字にならないようなどと制約はついています。
借入金の利息について当社は店舗造作費用及び差入保証金等の出店に係る資金を主に金融機関からの借入により調達しております。
この結果、総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務等)の割合が、2018年12月末現在で56.3%と高い水準となっております。
金融機関とは良好な関係を維持しているものと認識しており、借入金利についても現在のところ特に借入金利引き上げの要請は受けておりませんが、有利子負債依存度が高い状態のまま借入金利が上昇した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
借入金の財務制限条項について当社は、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。
万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 ※4
7. 株主構成
ベンチャーキャピタルはなし、大株主も創業者と理想的ともいえます。
売出も少なくまだまだ拡大したい姿勢がみてとれます。
株主名 | 株数 | 売出 | 比率 |
---|---|---|---|
井石 裕二 | 564,000 | 41,000 | 33.0 |
田中 竜也 | 564,000 | 41,000 | 33.0 |
(株)BORA | 240,000 | 14.0 | |
(株)IKI | 240,000 | 14.0 | |
伊藤 慎一朗 | 9,600 | 0.6 | |
向山 虎 | 4,800 | 0.3 | |
山本 奈緒子 | 4,800 | 0.3 | |
小川 智大 | 4,800 | 0.3 | |
山口 正人 | 4,800 | 0.3 | |
信田 翔平 | 4,800 | 0.3 | |
上位10名合計 | 1,641,600 | 82,000 | 96.0 |
株主名 | VC | LU(日数) | LU(株価) |
井石 裕二 | 180 | ||
田中 竜也 | 180 | ||
(株)BORA | 180 | ||
(株)IKI | 180 | ||
伊藤 慎一朗 | |||
向山 虎 | |||
山本 奈緒子 | |||
小川 智大 | |||
山口 正人 | |||
信田 翔平 | |||
上位10名合計 |
※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。
基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。
8. 主幹事証券
SMBC主幹事。2019年は多いですね。
シンジケート | 証券会社名 | 割当数(株) | 割当(%) |
---|---|---|---|
主幹事証券 | SMBC日興証券 | 486,600 | 95.0 |
引受証券 | SBI証券 | 7,600 | 1.5 |
引受証券 | みずほ証券 | 5,100 | 1.0 |
引受証券 | いちよし証券 | 5,100 | 1.0 |
引受証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 5,100 | 1.0 |
引受証券 | マネックス証券 | 2,500 | 0.5 |
9. 提出会社の状況
飲食業でもあり、平均年収はかなり低め。
今後の店舗拡大には人材が鍵になりそうです。
人材採用がうまくいかない際は、拡大戦略が滞る可能性があります。
従業員 | 臨時雇用 | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(円) | |
提出会社の状況 | 118 | 188 | 29 | 1.7 | 3,561 |
10. 初値予想
2019年6月期EPSが135円
このままの成長ペースであれば30倍程度まで評価は上がるか。
32倍程度の4300円ぐらいの評価される可能性ありとみてこのレンジで予想しています。
1 | 市場 | マザーズ |
---|---|---|
2 | 需給 | 3社同時上場 |
3 | VC、SO | VCはなし |
4 | 吸収金額 | 20億と中型 |
5 | 注目度 | イメージしやすい業種 |
a | 流動性 | ★★★★☆ (4) |
b | タイミング | ★★★☆☆ (3) |
c | 事業内容 | ★★★☆☆ (3) |
d | 注目度 | ★★★☆☆ (3) |
e | 財務安全度 | ★★☆☆☆ (2) |
f | 初値予想 | 4000円~4200円 |
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オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数
※1~※5 目論見書、有価証券報告書から引用
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