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日本ホスピスホールディングス(7061) 初値予想・分析 2019年3月28日(木)上場

1. 基礎データ

 

入居者をがん末期患者や難病患者等に限定したホスピス住宅にてケアサービスを提供している当社。比較的富裕層向けのビジネスを展開しています。

 

連結子会社であるナースコール株式会社及びカイロス・アンド・カンパニー株式会社で構成されており、2017年より連結決算。

 

「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションとして掲げ、「看取り」へ対応するケア(=ターミナルケア)を、末期がん患者と難病患者を対象として提供しています。

 

会社名 日本ホスピスホールディングス株式会社
所在地 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目3-1 新東京ビル2階
設立 2017年1月1日
代表者名 代表取締役社長  高橋 正
資本金 1億2千4百10万円
事業内容 在宅ホスピスサービス事業
ホスピス住宅事業
企画・設計監理受託事業
役員 代表取締役 社長 高橋 正
常務取締役 管理本部長 加藤 晋一郎
取締役 内部監査室長 稲津 隆夫
取締役 事業開発室長 洪 雄吾
社外取締役 荒川 暁
社外取締役 梅田 恵
監査役 本田 凛太郎
監査役 林 高史
監査役 加藤 由美

 

 

2. 成長企業判定

 

 

  売上 成長率 営業利益 成長率 成長率合計 判定
2017 1895   -40      
2018 3015 59% 135 438% 497%
2019 4251 41% 407 201% 242%

成長企業判定は、40%ルール※について、達成されているかを検証します。

今回は、直近の決算及び今期見通しについても達成していますが、もともと利益が少ない当社。

 

特殊な感じもしますが、今後施設数、部屋数の伸びが拡大すれば利益も伸びる可能性があり、今後の中期戦略をしっかり見極める必要があります。

 

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※1

 

※40%ルール 「売上高の成長率」+「営業利益率」の値が40%を超えるかどうか
例:
企業の売上高の成長率が100%・・・営業利益率が▲60%まで
企業の売上高の成長率が40% ・・・営業利益率が0%以上
企業の売上高の成長率が20% ・・・営業利益率が20%以上

 

3. 上場スケジュールと想定価格

 

3社上場の3/28。

タイミングとしてはあまりよくないですが、セカンダリーにとっては安く買えるかもしれないチャンスの日。

 
仮条件決定日   2019/03/08(金)
抽選申込期間 2019/03/11(月) 2019/03/15(金)
公募価格決定   2019/03/18(月)
購入申込期間 2019/03/19(火) 2019/02/25(月)
上場日   2019/03/28(木)
想定価格(円)   780
公募価格決定(円)   1,000
想定価格からの上昇率   28.2%

 

売出多めのイグジット感のある案件。

公募株式数(単位:株) 1,900,000
公募(単位:株) 350,000
売出(単位:株) 1,550,000
売出比率 81.58%
オーバーアロットメント(単位:株) 285,000
発行済株数 7,444,000
オファリングレシオ 29.35%

 

4. 手取金の使途

約2.5億円。

施設開業に関するものとなっていますが以下の通り、スケジュールはかなり先。

成長についてはやや疑問がのこる資金使途。

 

平成31年12月期に87,000千円、

平成32年12月期に159,160千円。

 

 

5. 財務データ

 

売上高は伸びているが、今後も継続するのかは疑問。

成長可能性の資料、中期経営計画をしっかり見たほうが良い案件。

 

設備投資がそれなりの規模で発生するため、有利子負債もリース債務含めると25億円程度あり、また資産側にはのれんも。償却負担や金利負担もそれなりにあり、今後の拡大には重しになる可能性もあります。

 

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 ※2

 

6. リスク分析

今後の拡大には、人材が必要となってくるため人材リスクは当社も負ってます。

また有利子負債については、企業側もリスクとして認識しており、今後の拡大にはさらなる資金調達が必要となる可能性もあります。

 

 

連結会計年度末における有利子負債残高(リース債務を含む)は2,566,860千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は80.7%となっており、有利子負債依存度が高い状況となっております。

 

そのため、金利水準が上昇した場合や、計画通りの資金調達が出来なかった場合には、支払利息が増加し、当社グループの事業展開のスピードが減速するなど、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。※3

 

 

7. 株主構成

 

売出多めで、ベンチャーキャピタルが上位3社。

しかしロックアップは90日(1.5倍はなし)でかかっているので、初値後大きくうってくる主体はいなさそう。 

株主名 株数 売出 比率
J-STAR二号投資事業有限責任組合 4,008,000 901,100 48.6
MIDWEST MINATO, L.P. 1,497,000 336,600 18.2
Pacific Minato Ⅱ, L.P. 1,389,000 312,300 16.9
高橋 正 500,000   6.1
加藤 晋一郎 300,000   3.6
稲津 隆夫 160,000   1.9
笹本 哲 160,000   1.9
宮地 宗男 120,000   1.5
関 洋晃 50,000   0.6
小笠原 利枝 40,000   0.5
上位10名合計 8,224,000 1,550,000 99.8
     
株主名 VC LU(日数) LU(株価)
J-STAR二号投資事業有限責任組合 90  
MIDWEST MINATO, L.P. 90  
Pacific Minato Ⅱ, L.P. 90  
高橋 正   90  
加藤 晋一郎   90  
稲津 隆夫   90  
笹本 哲   90  
宮地 宗男   90  
関 洋晃   90  
小笠原 利枝   90  
上位10名合計      

 

※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。

基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。


8. 主幹事証券

シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 野村證券 1,710,000 90.0
引受証券 SBI証券 38,000 2.0
引受証券 岡三証券 38,000 2.0
引受証券 静銀ティーエム証券 19,000 1.0
引受証券 岩井コスモ証券 19,000 1.0
引受証券 エース証券 19,000 1.0
引受証券 いちよし証券 19,000 1.0
引受証券 松井証券 19,000 1.0
引受証券 マネックス証券 19,000 1.0

 

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9. 提出会社の状況

 

連結会社なので、あくまで目安となります。

 

  従業員 臨時雇用 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
提出会社の状況 9 2 42.7 0.84 4,535,000

 


10. 初値予想

 

1 市場 マザーズ
2 需給 3社同時上場
3 VC、SO VCは多め、ストックオプション多め
4 吸収金額 20億と中型
5 注目度 人気化しにくい業種
   
a 流動性 ★★☆☆☆ (2)
b タイミング ★★★☆☆ (3)
c 事業内容 ★★☆☆☆ (2)
d 注目度 ★★★☆☆ (3)
e 財務安全度 ★★☆☆☆ (2)
f 初値予想 930円~1100円

 

あまり、目新しいものはないですので、930円~1100円程度かと考えています。

初値がかなり安ければ、株価自体は1000円前後と単価が低いのが幸いする可能性はありますでしょうか。

今後の成長戦略に注目です。

 

↓もう一つ記事いかがでしょうか。同日上場です。↓

 

ipostudy.hatenablog.com


オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数

 

※1~※ 目論見書、有価証券報告書から引用
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