コプロ・ホールディングス(7059) 初値予想 2019年3月19日(火)
1. 基礎データ
コプロは、建設業界を中心とした、人材派遣業を行っています。
派遣社員を含むと従業因数は、1700人を超えています。
後述しますが、比較的業績は安定しており、利益率も派遣事業でありながら比較的高いといえそうです。建設業であるため、景気変動のリスクはありますが、高速道路、橋梁などの補修工事、公共工事など、人材不足は慢性化しているため、当社の業績は比較的悪化しにくい可能性もあります。
今後の戦略として掲げているのは4点
人材教育や適正配置に力を入れることは勿論ですが、特定のプラント向けに注力するというのは興味をひきます。
- 主力事業である建設技術者派遣事業の拡充
- プラント向けエンジニア派遣の拡大、人材開発機能の外販
- 人材派遣事業における新たな展開
- 買収・合併、業務提携、新規事業の開拓
当社は愛知県を中心にビジネスを行っています。
社長の年齢が若く、昭和50年代生まれの経営陣であり、今後の成長意欲が強いと可能性が高いです。
会社名 | 株式会社コプロ・ホールディングス |
---|---|
所在地 | 〒450-6427 愛知県名古屋市中村区名駅三丁目28番12号 大名古屋ビルヂング27F |
代表者 | 清川 甲介 |
従業員数 | 1,738名(2018年12月末時点/グループ全体正社員・派遣社員含む) |
資本金 | 3,000万円 |
取引先銀行 | 三井住友銀行/中京銀行/三菱UFJ銀行 |
取締役 | 専務取締役 事業本部長 小粥 哉澄 常務取締役 管理本部長 齋藤 正彦 取締役 財務経理部 部長 保浦 知生 取締役 採用戦略本部長 越川 裕介 取締役 人財開発本部長 向井 一浩 社外取締役 葉山 憲夫 社外取締役 小島 義博 常勤監査役 星野 義明 社外監査役 春馬 学 社外監査役 大倉 淳 |
2. 上場スケジュールと想定価格
3社同時上場。
みんかぶ(4436)の上場も同時にあるので、資金が分散しそう。逆に初値が低迷すればセカンダリーとしては妙味がある可能性もあります。
自 | 至 | |
仮条件決定日 | 2019/02/28(木) | |
抽選申込期間 | 2019/03/04(月) | 2019/03/08(金) |
公募価格決定 | 2019/01/11(金) | |
購入申込期間 | 2019/03/12(火) | 2019/03/15(金) |
上場日 | 2019/03/19(火) | |
想定価格(円) | 2,090 | |
公募価格決定(円) | 2,090 | |
想定価格からの上昇率 | 0.0% |
売出が大きめ。30億円近い吸収金額となっており、マザーズにしては規模が大きい。社長が100万株を売り出すため、これを吸収できるかどうか。
公募株式数(単位:株) | 1,400,000 |
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公募(単位:株) | 400,000 |
売出(単位:株) | 1,000,000 |
売出比率 | 71.43% |
オーバーアロットメント(単位:株) | 210,000 |
発行済株数 | 5,000,000 |
オファリングレシオ | 32.20% |
3. 手取金の使途
比較的細かく資金使途が定められています。
大きく4つですが、一番は基幹システム等のシステム投資がメインとなります。
①システム投資 3.6億円程度
②設備投資 4300万円程度
③運転資金 採用関係等 2.3億円程度
④社債償還当 2億円程度
現キャリという、建設・プラント業界に特化した、自社運営の求人サイトを運営しています。全国のお仕事探しから就業、就業後の相談まで全サポートを行っており、ここに向けたシステム投資も実施する予定です。
システム投資
a.基幹システム 今後の事業規模拡大に備え、情報管理の一層の強化及び業務効率向上のための基幹システムの構築にかかる投資資金として195,000千円(平成32年3月期:41,500千円、平成33年3月期:95,500千円、平成34年3月期:58,000千円)
b.電子端末 本社・各支店と、派遣先で就業する派遣技術社員との情報伝達の効率化及びコミュニケーションの向上を目的とする電子端末の導入資金として117,750千円(平成32年3月期:39,750千円、平成33年3月期:39,000千円、平成34年3月期:39,000千円)
c.自社運営求人サイト「現キャリ」の機能向上 基幹システムとの連携、営業情報と求職者情報のマッチング向上等を目的とするシステム開発投資として60,000千円(平成32年3月期:20,000千円、平成33年3月期:40,000千円)
4. 財務データ
業績の伸びは大きくないが、経常利益率10%近い数値は優秀です。
自己資本比率も50%程度と特に懸念される事項はないと思われます。
現預金も30億円程度あるため特に、大きな資金調達は必要ないと考えています。
5. リスク分析
リスクとしては2点。
①建設業界への依存
建設業界自体が軟調な時は、当社も影響を受ける可能性が高いです。
当社は扱う業界を広げることでクリアしていこうという戦略をたてています。
②人材採用について
人材不足はどの業界も慢性的に不足しているため当社も業績を拡大するためには採用コストをかけながら従業員を増やす可能性があります。
自社で「現キャリ」サイトを運営しながら、効率よく人材採用を進めていくことが今後求められます。
6. 株主構成
ベンチャーキャピタル(VC)見当たらず、株主構成としては堅い印象。
社長の売出で持分は減ります。リタメコは資産管理会社のようです。
株主名 | 株数 | 売出 | 比率 | VC | LU(日数) | LU(株価) |
---|---|---|---|---|---|---|
(株)リタメコ | 2,100,000 | 49.1 | 180 | |||
清川 甲介 | 2,000,000 | 1,000,000 | 46.7 | 180 | ||
小粥 哉澄 | 45,100 | 1.1 | ||||
越川 裕介 | 35,000 | 0.8 | ||||
齋藤 正彦 | 19,200 | 0.5 | ||||
向井 一浩 | 17,400 | 0.4 | ||||
松岡 宏樹 | 7,700 | 0.2 | ||||
小林 昌弘 | 7,000 | 0.2 | ||||
北方 雄一朗 | 5,200 | 0.1 | ||||
但木 祐太 | 4,700 | 0.1 | ||||
上位10名合計 | 4,241,300 | 1,000,000 | 99.1 |
※LU= ロックアップ
VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。
ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。
基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができます。
7. 主幹事証券
主幹事は大和。中部ということで東海東京も4%。
シンジケート | 証券会社名 | 割当数(株) | 割当(%) |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 大和証券 | 1,232,000 | 88.0 |
引受証券 | 東海東京証券 | 56,000 | 4.0 |
引受証券 | SMBC日興証券 | 42,000 | 3.0 |
引受証券 | 野村證券 | 42,000 | 3.0 |
引受証券 | SBI証券 | 14,000 | 1.0 |
引受証券 | エース証券 | 14,000 | 1.0 |
8. 提出会社の状況
平均給与はやや低そう。これでも本社部門なので実際の派遣社員はさらに低い給与だと思われます。
従業員 | 臨時雇用 | 平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年間給与(円) | |
提出会社の状況 | 37 | 0 | 33.3 | 1.7 | 4,059,000 |
9. 初値予想
2019年3月期のEPSは199.64円。
公募価格が2090円であることからPERは10倍~11倍のレンジ。
今回は売出が多いことから、株数もそれほど増えず、来期EPSもそれほど希薄化は免れる。
吸収金額がマザーズにしては大きいことから2400円~2500円程度の初値を予想します。
単独上場であれば、もう少し高い値段の可能性もありますが、やや低めの初値となりそう。
配当性向が30%以上あれば、利回りから買われる需要もでてくると考えています。
オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数
※1~※ 目論見書、有価証券報告書から引用
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