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ダイコー通産(7673)2019年3月12日(火)上場

1.基礎データ

 

 

ホームページを見るとかなり地味かつ古めかしい印象。

 

ただケーブルの会社でもあるので、5G関連で取りざたされる可能性がわずかにあります。配当性向はやや高めの印象。地道ながらも手堅い会社でしょうか。
 

 

 
ただ一方で、河田晃社長の年齢が若く1972年生まれ。河田一族の経営で、河田晃氏は2014年に社長に就任していることからどのような戦略で今後成長していくかビジョンが明確では今後期待できる可能性もあります。
 
 
当社は、社是である「和を以って努力せよ」の精神のもと、CATV及び情報通信分野において、国内外の高度な技術情報及び高品質・低価格の商品を顧客に提供することを通じて、高度化するネットワーク社会の発展に貢献することを経営の基本理念としております。 
この理念を具現化するため、当社は、CATV及び情報通信ネットワークにおいて使用される各種商品(ケーブル、材料、機器等)の仕入及び販売を主な事業としております。※1
 

取引先には、各電力会社や電気工事会社などがあげられます。

 

5G関連とはならない可能性が高いですが、実際にケーブル敷設に関する工事も需要は増えそうなのでその点ではポジティブだと考えてます。

 
 

  f:id:IPOStudy:20190311160707p:plain  ※2

 

社名 ダイコー通産株式会社
代表者名 大貫 浩
所在地 愛媛県松山市姫原三丁目6番11号
設立年 昭和50年6月
役員
取締役会長 河田  充
代表取締役社長 河田  晃
代表取締役専務 河田 正春
代表取締役専務 西村  晃
取締役 岡野 拓哉
取締役 岡田  保
取締役 白井  充
取締役 高本 克哉
取締役(監査等委員) 前田 照雄
取締役(監査等委員) 倉本 逸男
取締役(監査等委員) 河端 民平
取締役(監査等委員) 濵﨑 省二
資本金 4億1,179万8千円(平成30年8月30日現在)
業種 情報・通信業
事業内容 1. 次に掲げる商品の製造、販売、リース及びレンタル業務

① ケーブルテレビ・情報通信用ケーブル
② ケーブルテレビ・情報通信用諸材料
③ ケーブルテレビ・情報通信用機器及び付属機器
④ ケーブルテレビ・情報通信用工具及び測定機器
⑤ オフィスオートメーション機器及びソフトウェア
2. ケーブルテレビ、情報通信に関するコンサルタント業務、
設計施工業務及び保守業務
3. 前各号に付帯する一切の業務
 

2. 上場スケジュールと想定価格

 

 

仮条件決定日 2月20日(水)
抽選申込期間 2月22日(金)~2月28日(木)
公募価格決定 3月1日(金)
購入申込期間 3月4日(月)~3月7日(木)
上場日 3月12日(火)
想定価格(円) 1,510
公募価格決定(円) 1,540

   

 

 

3. 手取金の使途 

 

 

 

約2億円の資金調達になりますが、設備投資に関するものが主となります。ただ手元資金でも賄えそうな範囲なので、本来必要な資金調達となるかはやや疑問となります。  

手取概算額217,480千円については、「1新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限113,555千円と合わせて、全額を東日本ブロックの東京営業所及び東京物流センター拡充のための設備資金として充当する予定であります。
 具体的には、東日本ブロックの東京営業所及び東京物流センター設備資金の土地取得資金の一部として、2020年5月期に全額を充当する予定であります。なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。※3

 4. 財務データ 

 

業績自体は、横這いです。経常利益率も2%程度と典型的な卸売業です。自己資本比率もそれほど低くないため、財務的にはそれほど悪い数値ではないです。

 

ただ一方で、現預金もそれなりにあることから、今回の公募も必要性についてはやや弱いといえます。 

 

流動比率も高く、有利子負債は10億円以下、実質無借金であり、今回の調達は不要です。今後期待されるのは配当性向の向上と利益率の上昇が期待されます。

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※4

5. リスク分析

 

 

 ①通信産業の今後について 

 

5Gなど、将来的な需要は強い産業といえます。その中で、通信ネットワーク拡大の恩恵は受けるといえるので、やや将来的にはポジティブでしょうか。 

 

 

情報通信関連市場の需要動向について情報通信ネットワークの拡大によってICT設備等の需要が本格化するなど、情報通信関連市場は順調に拡大していくものと予想しております。 
当社は、仕入先を通じた情報収集力の強化を図り、需要動向を迅速に把握するとともに顧客ニーズに合わせた提案をしていく所存ですが、予期せぬ要因により、情報通信関連市場の成長が鈍化した場合、又は、顧客の需要に応じた商品を適切に供給できない場合においては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。※5

 

 

②価格競争について 

 

利益率の低いビジネスであり、不良在庫による減損リスク、また輸入品があることか為替に関するリスクがあるといえます。どの業界も価格競争はありますが、自社開発や企画品に注力し、高付加価値の商品の開発は今後の課題といえます。 

 

 

6. 株主構成 

 

 

 

 

株主名 株数 売出 比率 VC ロックアップ① ロックアップ②
(株)ディー・ケー・コーポレーション 810,200   33.4   90日間  
ダイコー従業員持株会 244,130   10.1   180日間  
河田 晃 225,530   9.3   90日間  
河田 充 149,950   6.2   90日間  
西村 晃 128,140 8100 5.3   90日間  
東京センチュリー(株) 100,000   4.1   90日間 1.5倍
河田 正春 87,140 7100 3.6   90日間  
河田 すみ子 67,980   2.8   90日間  
栗栖 正治 39,150 39100 1.6      
小谷 幸恵 31,920 10000 1.3   90日間  
上位7名合計 1,745,090 15,200 72.0      

 

7. 主幹事証券

 

野村證券が主幹事であり、92%締めています。

不人気が想定されますが他の証券会社では当たらない印象。

 

 

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シンジケート 証券会社名 割当数(株) 割当(%)
主幹事証券 野村證券 488,400 92.11
引受証券 SMBC日興証券 10,800 2.97
引受証券 みずほ証券 10,800 1.99
引受証券 大和証券 10,800 0.98
引受証券 岡三証券 10,800 0.98
引受証券 SBI証券 10,800 0.98

 

8. 初値予想

ほぼ、1540円近辺での初値となりそう。やや公募割れの可能性も残ります。 EPS自体は160円台であり、予想PERは10倍以下となりますが、卸売業であることからPER的には、妥当な水準。

 配当は50円であることから、配当利回りは3%は超えていますが、現状の相場では高い印象もなく、やや公募価格を下回る可能性の方が高いと考えています。 地合次第でもあり、IPOはやや人気していますが、やや公募割れの1500円を初値予想とします。

 

 

 

 

 

 

 

 

     オファリング・レシオ=(公募株+売出株)÷発行済株式総数VCは、ベンチャーキャピタルの略、推測含む。 ロックアップは、「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。基本的には、期間と価格の両方の条件が記載の際はどちらか一方が条件をクリアすれば株式保有者は売ることができる。 ※1~※5 目論見書、有価証券報告書から引用